World of Coffee Asia — Inaugural Edition
2024

World Barista Championship

Finals Presentation Analysis

Busan, South Korea May 1–4, 2024
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⚠️ 本資料はAI(Claude・NotebookLM・Gemini)を使用して作成されたものであり、内容に誤りが含まれる可能性があります。正確性については元動画・公式ルール文書をご確認ください。
Competition Overview

2024 WBC ファイナル概要

2024年ワールドバリスタチャンピオンシップは、World of Coffee Asia初開催の地として韓国・釜山(BEXCO)で開催。50カ国以上の代表が参加し、Round 1 → セミファイナル(上位15名+ワイルドカード1名)→ ファイナル(上位6名)の3ラウンドで競い合いました。各ラウンドのスコアはリセットされ、ファイナルの得点のみで最終順位が決定します。以下は、ファイナルラウンドに進出した6名のプレゼンテーション分析です。

テーブルセット7分(制限時間)
準備時間15分
競技パフォーマンス15分(16分超で失格)
片付け7分(制限時間)

※ 1選手あたり合計44分のステーション割当。テーブルセット開始時に待機していなければ失格の可能性あり。

Rules & Regulations

2024年 競技ルール要点

3カテゴリ × 4杯 = 計12杯

エスプレッソ・ミルクビバレッジ・シグネチャービバレッジの各カテゴリ4杯を4名のセンサリージャッジに提供。提供順は自由だが、1カテゴリを完了してから次に移る必要あり(違反で失格)。

15分 + 減点制

パフォーマンスは最大15分。超過1秒につき1点減点。16分を超過すると即失格。シグネチャーの仕込みのみ競技時間中いつでも可能。

🔬

審査体制(ラウンド別)

Round 1:センサリー4名+テクニカル1名+ヘッド1名。
セミファイナル・ファイナル:センサリー4名+ヘッド1名(テクニカルなし)。ヘッドジャッジがStation Management・清潔さを代行評価。

🌡

マシン設定

圧力 8.5–9.5 bar、温度 90.5–96℃。グループヘッドごとに温度選択可能。スポンサー提供マシン(La Marzocco)・グラインダー(Mahlkönig)必須使用。追加電気機器は2台まで。

🥛

ミルクビバレッジ定義(2024更新)

無香料・無加糖の市販ミルク(動物性・植物性問わず)のみ使用可。ブレンドも認可。凍結蒸留による濃縮も許可。ミルクへの添加物は不可。

シグネチャービバレッジ

エスプレッソベース必須。アルコール禁止。全材料の原包装をジャッジテーブルに提示。独創性・味・バランス・プレゼンテーションを評価。

📊

評価スケール

Yes/No判定、0–3(精度・印象)、0–6(体験評価)の3タイプ。2024年変更:タクタイル体験が後味評価から独立分離。タイブレークはエスプレッソのセンサリースコア→ミルク→総合印象の順。

🏆

ラウンド構成

Round 1(全選手)→ セミファイナル(上位15名+Team Barワイルドカード1名)→ ファイナル(上位6名)。各ラウンドのスコアはリセット。ステーションレイアウトは9種から選択。

1st

Mikael Jasin

🇮🇩 Indonesia / So So Good Coffee

Finals Performance — Mikael Jasin (Indonesia)

Presentation Theme — 「マインドフルネス:心・体・魂の調和」

競技会から離れていた時期に出会った「マインドフルネス」の実践をテーマに構成。かつて心に火を灯していたものが燃え尽き症候群を引き起こしかけた経験から、「今この瞬間に完全に存在する」というマインドフルネスの哲学を見出した。コース順を「ミルク(心/Mind)→ シグネチャー(体/Body)→ エスプレッソ(魂/Soul)」と独自に構成し、各コースの間にジャッジと共に会場を歩き回り、目を閉じて深呼吸する瞑想的な演出を取り入れた。パーソナルカラーコードや質感の異なるカップなど、五感すべてに働きかける没入型プレゼンテーション。最後のエスプレッソを「魂との再接続」として、他の材料のノイズを一切排除したパナマ・ゲイシャの純粋な表現で締めくくった。

M

Milk Course(第1コース:心 / Mind)

コロンビア・エル・ディビソ農園 — アジ種(エチオピア在来種)
品種 / 産地
アジ(Aji)エチオピア在来種 / コロンビア・エル・ディビソ農園
精製処理
微生物クレンジング → 酵母接種(イノキュレーション)→ サーマルショック → トロピカルフルーツ・ストーンフルーツの味わいに変化
レシピ
20g → 30g / 25秒(シグネチャーと共通)
ミルク構成
乳牛ミルク60% + カシューミルク20% + オーツミルク20% → フードプロセッサーで水分20%蒸発し甘さを濃縮

ミルクの設計思想:「シグネチャーコースのようにミルクコースに取り組む」。3種のミルクを「材料」として使い、乳牛ミルクの乳糖が甘さのベース、カシューミルクがコーヒーと合わさってピーチリキュールのフレーバーを生成、オーツミルクのモルト感とカシューのナッツ感が「マジパン」のセイボリーフレーバーを作り出す。フードプロセッサーで水分を20%蒸発させ、デザートのような少量のミルクビバレッジを実現。

提供:50gのミルクに対してエスプレッソ1ショット。ラテアートを描いて提供。

Tasting Notes
ピーチリキュール カンタロープ マジパン
口の中を覆うようなコーティング・マウスフィール、チョコレートトリュフの長く続く余韻。
S

Signature Course(第2コース:体 / Body)

「心」のアイデアと「体」の実行を調和させる
材料構成
1アジ種エスプレッソ 60g — ミルクコースと同じレシピ。フルーティーな土台。
2クラリファイド・ミルクブレンド 40g — ミルクコースの3種ブレンドに10%レモンジュースを加えて透明化。ピーチとカンタロープのフレーバーが「ハニーデュー(白肉メロン)」と「スイカ」に変容。
3パロサントシロップ 25g — 砂糖:水=1:1に1%バニラ+1%パロサント(香木)。品種由来の甘くハーブのようなノートを再現し、「セージ」のフレーバーを生成。カップにもパロサントのアロマをインフューズ。
4インドネシア産カカオニブ 8g + 熱湯125ml — 心地よい苦味でドリンクをグラウンド。フルーティーな酸味を持つカカオ。組み合わせで「ブラックフォレスト」のフレーバーを生成。50℃で温かく提供。

演出:カップの底はザラザラ、唇に触れる部分は滑らか。「滑らかさは粗さとの比較においてのみ真に評価できる」というマインドフルネスのメッセージ。ジャッジに目を閉じて深呼吸させ、カップの触感を感じさせてから飲む指示。

Tasting Notes
ハニーデュー スイカ セージ ブラックフォレスト
シルキーな口当たり、シルキーなブラックフォレストの長い余韻。50℃温提供。
E

Espresso Course(第3コース:魂 / Soul)

パナマ・フィンカ・デボラ — ゲイシャ(ウォッシュド)
生産者 / 農園
ジャミソン・サベージ / Finca Deborah(パナマ)
精製処理
最小限の介入によるウォッシュド精製 — 「コーヒーの魂を真に表現するため」
レシピ
1:2.5 の抽出比率
コンセプト
他の材料のノイズを排除し、エスプレッソと自分自身の魂との再接続

演出:最後にジャッジと共にもう一度歩き、目を閉じて「青々と茂ったコーヒー農園」を思い浮かべさせる瞑想的な時間を設けた。メニューカードが配置され「何も書き留める必要はない」と伝え、マインドフルネスの実践に集中させた。

Tasting Notes
ジャスミン オレンジブロッサム ネーブルオレンジ ハチミツ
軽いウェイト、シルキーでジューシーなテクスチャー、シルキーなゴールデンレーズンの長い余韻。
💡 審査指示:お水を一口飲んでから。「人生における辛い時期は、魂を浄化しクリアな心と強い体を持って生きていくことを可能にする」で締めくくり。

SCORING ディスクリプター充足度チェック

※提供順:ミルク(第1)→ シグネチャー(第2)→ エスプレッソ(第3)

コース 必須項目 プレゼンでの表現 判定
Espresso
必須3項目
(第3コース)
フレーバー+後味 ※0点リスク 「ジャスミン、オレンジブロッサム、ネーブルオレンジ、ハチミツ」+「ゴールデンレーズンの長い余韻」
ウェイト ※0点リスク 「軽いウェイト」
テクスチャー ※0点リスク 「シルキーでジューシーなテクスチャー」
Milk
必須1 + 推奨1
(第1コース)
フレーバー+後味 ※0点リスク 「ピーチリキュール、カンタロープ、マジパン」+「チョコレートトリュフの長く続く余韻」
テクスチャー 推奨 「コーティング・マウスフィール」
Signature
必須1 + 推奨1
(第2コース)
フレーバー+後味 ※0点リスク 「ハニーデュー、スイカ、セージ、ブラックフォレスト」+「シルキーなブラックフォレストの長い余韻」
テクスチャー 推奨 「シルキーな口当たり」
💡 総評:全コースで必須・推奨ともに完全充足。独自の提供順(M→S→E)にもかかわらず、各コースのディスクリプターを的確に配置。エスプレッソでは「軽いウェイト」「シルキーでジューシー」と2つのテクスチャーを組み合わせ、ミルクでは「コーティング・マウスフィール」、シグネチャーでは「シルキー」と一貫してテクスチャー表現を完備。マインドフルネスという哲学的テーマと技術的要件の両立が際立つ。
2nd

Jack Simpson

🇦🇺 Australia / Axil Coffee Roasters

Finals Performance — Jack Simpson (Australia)

Presentation Theme — 「絶え間ない改善(Constant Improvement)の追求」

「完璧さの追求」が不安と足かせになっていた経験から、「絶え間ない改善」という新しい哲学へ転換。昨年の「オートコーム」「振動テーブル」という抽出前プロセスの探求に続き、今年は抽出後(Post-extraction)に焦点を当てた。船のバラスト水処理技術を開拓するゲイリーとのコラボレーションで、500Hzの超低周波電磁波(ULF波/ウェーブ)をエスプレッソに適用。ポリフェノールの分子結合を促進し苦味を減少・甘味知覚を増加させるという画期的な技術を披露。2人の生産者(ジャミソン・サベージとジョナサン・ガスカ)と共に「絶え間ない改善の道」を体現したプレゼンテーション。

E

Espresso Course

フィンカ・デボラ — ゲイシャ(窒素マセレーション)
生産者 / 農園
ジャミソン・サベージ / Finca Deborah(パナマ・ボルカン / 1,900m)
精製処理
窒素マセレーション:N₂充填タンクで50h発酵(温度・pH記録)→ レイズドベッド20日間乾燥 → 水分量11%
レシピ
20g → 45g / 29秒 + 2秒間のULF波(ウェーブ)
抽出後処理
超低周波電磁波(500Hz)を2秒間照射 → ポリフェノール分子結合 → 苦味減少・甘味増加

ウェーブ技術の科学:エスプレッソの90%は水。ULF波で水分子にエネルギーを与え振動させると、カフェインなどのポリフェノールが結合してより大きな分子鎖を形成。これにより一部の苦味が味覚の検知から逃れ(表面積が減少)、甘味の知覚が増加する。「波」は抽出時間やドーズ量と同様の調整可能なツール。

提供:縁の厚さが変化するカップで提供。薄い側がゲイシャのジューシーなテクスチャーを際立たせる。

Tasting Notes
ブラッドオレンジ イエローピーチ レッドチェリー パイナップル
ミディアムウェイト、ジューシーなテクスチャー、長く続く豊かなフィニッシュ。
M

Milk Course

フィンカ・サルサ — パカマラ種(ナチュラル / 150h嫌気性発酵)
生産者 / 農園
ジョナサン・ガスカ / Finca Zarza(コロンビア・ウィラ / 1,500m)
精製処理
150h嫌気性発酵 → サーマルショック(50℃→20℃)→ フレーバーの複雑さを付与
ミルク構成
2時間ウェーブ処理したフルクリームミルク90% + クライオ・デシケーション(低温真空蒸留)ココナッツミルク10%
レシピ
21g → 35g / 25秒 / エスプレッソ1:ミルク4

ミルクのウェーブ処理:エスプレッソ中でポリフェノールが結合したように、ミルク中では「脂肪球」が結合。脂肪球はミルクのテクスチャーに大きな役割を果たし、結合させることで溶けたアイスクリームのような豊かでクリーミーなテクスチャーが実現。

焙煎:ロースターのマットと7年以上のコラボレーション。ディベロップメント23%・11分間の長めの焙煎で甘みと溶解性を最大化。

Tasting Notes
スイートチェリー 溶けたチョコレートアイスクリーム シェイブココナッツ
S

Signature Course

デュアルベース + ウェーブ発酵技術の未来

ゲイシャ2ショット+パカマラ2ショットのデュアルベース構成。ジャミソンのコーヒーの甘みを際立たせつつ、ウェーブ技術を発酵プロセスに応用する「未来の可能性」を示した。

材料構成
1蒸留ピーチハニー 80ml — 8個のクリングストーンピーチの果汁をロータリーエバポレーターで嫌気的に蒸留。60℃・120RPM・1.5h。マンゴーとパッションフルーツの新フレーバーを生成しつつゲイシャのフローラルを維持。
2ハイドロゾル(芳香蒸留水)80ml — 蒸留で失われる水分と芳香成分を回収。精度と制御を通じた希釈。
3ウェーブ発酵キノット 24hインフューズ + 炭酸化(60PSI) — 100gキノットを2hウェーブ処理→48h室温発酵。チェリーのノートと調和し「ドライアプリコット」「オレンジソーダ」の新フレーバー。発泡性テクスチャー。
4白桃×マリーゴールドのアロマクラウド — ドライアイス上に注いで香りの雲として使用。4℃提供で失われるアロマを補完。
Tasting Notes
マンゴー パッションフルーツ オレンジソーダ ドライアプリコット
4℃で提供。発泡性テクスチャー。アロマリング(香りの雲)を嗅いでからの飲用指示。
💡 審査指示:「タイム」コールまで評価を待つ。最初の一口の前にアロマリングを嗅ぐ。「一度この絶え間ない改善の道に足を踏み入れたら、完璧であることではなく旅そのものが重要」で締めくくり。

SCORING ディスクリプター充足度チェック

コース 必須項目 プレゼンでの表現 判定
Espresso
必須3項目
フレーバー+後味 ※0点リスク 「ブラッドオレンジ、イエローピーチ、レッドチェリー、パイナップル」+「長く続く豊かなフィニッシュ」
ウェイト ※0点リスク 「ミディアムウェイト」
テクスチャー ※0点リスク 「ジューシーなテクスチャー」
Milk
必須1 + 推奨1
フレーバー+後味 ※0点リスク 「スイートチェリー、溶けたチョコレートアイスクリーム、シェイブココナッツ」— 後味の明示的表現なし
テクスチャー 推奨 明示的表現なし(ウェーブ処理による溶けたアイスクリーム様テクスチャーは精製説明内)
Signature
必須1 + 推奨1
フレーバー+後味 ※0点リスク 「マンゴー、パッションフルーツ、オレンジソーダ、ドライアプリコット」
テクスチャー 推奨 「発泡性テクスチャー」
💡 総評:エスプレッソの必須3項目は完全カバー。ミルクコースでは後味とテクスチャーの明示的表現が動画トランスクリプトから確認しにくい。シグネチャーは発泡性テクスチャーを含む充実した表現。ウェーブ技術の科学的説明に時間を割いた分、ミルクのディスクリプター表現が簡略化された可能性がある。
3rd

石谷 貴之(Takayuki Ishitani)

🇯🇵 Japan

Finals Performance — 石谷 貴之 / Takayuki Ishitani (Japan)

Presentation Theme — 「理想の実現:バリスタ20年の集大成」

バリスタとして20年の旅路を経て「理想が最もバランスの取れた形で実現した」瞬間をテーマに構成。パナマ・フィンカ・デボラのゲイシャ(驚くべき触感)とコロンビア・フィンカ・ミランのカトゥーラ(爆発的なフレーバー)という2つの対照的なコーヒーを軸に、エスプレッソ=ゲイシャ16g+カトゥーラ2g、ミルク・シグネチャー=カトゥーラ17g+ゲイシャ2gとブレンド比率を反転させることで、各コースの目的に最適なバランスを追求。スコアシート順(E→M→S)で提供し、安定した構成力を見せた。

E

Espresso Course

ゲイシャ16g + カトゥーラ2g ブレンド
コーヒー①
ジャミソン・サベージ / Finca Deborah(パナマ)— ゲイシャ / ウォッシュド15日+3ヶ月レスティング → 驚くべき触感
コーヒー②
フリオ / Finca Milan(コロンビア)— カトゥーラ / カルチャリング(モスト嫌気性発酵)→ 爆発的なストーンフルーツ
ブレンド比率
ゲイシャ16g + カトゥーラ2g → 46g抽出(ゲイシャの長い甘い余韻+カトゥーラの爆発力)
Tasting Notes
イエローピーチ オレンジ ジャスミン
甘さミディアム、酸味ミディアム・ロー。ミディアム・ローのウェイト、滑らかな口当たり、ジャスミンティーのフィニッシュ。
💡 審査指示:5回ステアしてから楽しむ。
M

Milk Course

カトゥーラ17g + ゲイシャ2g — ライスミルク+ラクトースフリー牛乳
ブレンド比率
カトゥーラ17g + ゲイシャ2g → 44g抽出(カトゥーラの爆発力がミルクの中で際立つ)
ミルク構成
ライスミルク(ほのかな甘み)+ ラクトースフリー牛乳(丸みのあるボディ)
ミルク量
51g → 合計80gのビバレッジ(最高の調和を生むバランスポイント)

理想の追求:ミルクとエスプレッソの完璧な調和。カトゥーラの爆発的フレーバーは甘いミルクの中でも際立つ力強さを持つ。

Tasting Notes
イエローピーチ オレンジ ハチミツ
シルキーなテクスチャー、オスマンサス(金木犀)のようなフローラルなフィニッシュ。
S

Signature Course

ゲイシャ×カトゥーラの相乗効果 — 2段階テイスティング

カトゥーラ17g + ゲイシャ2g → 40g抽出。カトゥーラの爆発力とゲイシャのエレガンスのシナジーを追求。一口目と二口目で異なる口当たりの体験を設計。

材料構成
1蒸留ボタニカル 20g — オレンジピール、フローラルホップ、水、ゲイシャ由来のクエン酸を1日間浸出→蒸留。「セージ」の新ノートを生成。
2シトラス発酵液 60g — フェンネル:水:砂糖=1:1:1で3日間嫌気性発酵。オレンジのノートを「ブラッドオレンジ」に変容。
3シロップ・インフュージョン 5g/杯 — カスカラ1:水10+バニラビーンズを60℃×2h加熱。飲用直前に加えることでフローラルな余韻が甘い「セージティー」に変化。一口目と二口目で異なる体験を設計。
Tasting Notes
一口目:セージ / ホワイトピーチ 二口目:ブラッドオレンジ / アプリコット
一口目:ジューシーな口当たり、キャラメルのフィニッシュ。二口目:シルキーな口当たり。
💡 審査指示:「タイム」コールまで飲まない。20年のバリスタ人生で「理想が最もバランスの取れた形で表現された」幸せな瞬間として締めくくり。

SCORING ディスクリプター充足度チェック

コース 必須項目 プレゼンでの表現 判定
Espresso
必須3項目
フレーバー+後味 「イエローピーチ、オレンジ、ジャスミン」+「ジャスミンティーのフィニッシュ」
ウェイト 「ミディアム・ローのウェイト」
テクスチャー 「滑らかな口当たり」
Milk フレーバー+後味 「イエローピーチ、オレンジ、ハチミツ」+「オスマンサスのフローラルなフィニッシュ」
テクスチャー 「シルキーなテクスチャー」
Signature フレーバー+後味 一口目「セージ、ホワイトピーチ」+「キャラメルのフィニッシュ」/ 二口目「ブラッドオレンジ、アプリコット」
テクスチャー 一口目「ジューシー」/ 二口目「シルキー」
💡 総評:全コースで必須・推奨ともに完全充足。特にシグネチャーの2段階テイスティング設計では、一口目と二口目それぞれに異なるテクスチャー表現(ジューシー/シルキー)を配置する周到さが際立つ。エスプレッソでは「ミディアム・ロー」というスペクトラム上の精密な位置づけも高評価につながったと推測される。
4th

川島 ほのか(Honoka Kawashima)

🇳🇿 New Zealand

Finals Performance — 川島ほのか / Honoka Kawashima (New Zealand)

Presentation Theme — 「折り紙:コーヒーの複雑さを紐解く」

日本で育った折り紙の思い出から着想し、コーヒーの精製プロセスが折り紙のように「層」になっていることをメタファーに構成。コーヒーを擬人化し「マリア(マラゲイシャ種)」と名付け、品種の複雑な情報をシンプルに親しみやすく伝える独自のアプローチ。ジャッジと一緒に実際に折り紙を折りながらプレゼンテーションを進行し、テロワール・精製・焙煎の各層を一折りずつ明らかにしていった。最後に折り紙を開くとハート型になり、「コーヒーへの愛」というシンプルで力強いメッセージで締めくくった。コース順はM→S→E。

M

Milk Course(第1コース)

マラゲイシャ種 — コロンビア・ウィラ・ヴィラベトゥリア農園
品種 / 産地
マラゲイシャ(ゲイシャ×マラゴジッペ)/ コロンビア・ウィラ県ヴィラ・ベトゥリア農園(1,500m)
生産者
ルイス・アニバル・カルデロン — ゲイシャのフローラルさ+マラゴジッペのクリーミーなボディ
レシピ
19.5g → 50g(全コース共通)/ ミルク80ml / 55℃スチーム
ミルク構成
高脂肪牛乳90%(凍結蒸留で水分50%除去 → 甘み・クリーミーさ強化)+ アーモンドミルク10%(塩味バランス + レーズンの余韻生成)
Tasting Notes
チョコレートブラウニー ショートブレッド
レーズンの余韻。5回ステアしてから楽しむ指示。
S

Signature Course(第2コース)

テロワール・精製・焙煎 — 3つの折り目
材料構成
1ミックスフルーツ・インフュージョン 40g(テロワール)— 同量のオレンジ、赤リンゴ、ストロベリーを水と密閉袋に入れ60℃×4hスーヴィード。カリウム豊富な果実がマラゲイシャのピンクグレープフルーツのノートを「ロックメロン」に変容。
2オスマンサス(金木犀)ティーシロップ 40g(精製)— 3gオスマンサスティーを果糖シロップ(1:3)90gに3h浸出。天日乾燥10日間の短い乾燥期間が保持する明るさと甘さを高め、「ドライ・サワープラム」のノートを生成。
3トマトウォーター5g + 蒸留アーモンドミルク10g(焙煎)— トマトを冷凍→細胞破壊→マグネシウム豊富なトマトウォーター抽出で「旨味」を付与。蒸留アーモンドミルクと組み合わせてバランスを取り「ジンジャー」の余韻を生成。
Tasting Notes
ロックメロン ドライ・サワープラム ドライジンジャー
冷やした温度で提供。「シンプルに楽しんでください」の指示。
E

Espresso Course(第3コース)

マラゲイシャの純粋な表現 — 45℃フラッシュチル
エイジング
焙煎後30日間のレスティング → 鋭い酸味がまろやかに、エレガントでバランスの取れたカップに
焙煎
ディベロップメント16% / メイラード反応を長く → クエン酸保持+複雑な甘さ
提供温度
45℃にフラッシュチル(急冷)→ アロマを捉え、より長く続く複雑なテイスティング体験
Tasting Notes
ピンクグレープフルーツ パイナップル
ハイビスカスの余韻。ミディアムボディ、シルキーなテクスチャー。
💡 審査指示:見た目を確認→「タイム」コールまで待つ→5回ステア。折り紙を開いてハートの形を見せ「コーヒーへの愛」で締めくくり。

SCORING ディスクリプター充足度チェック

※提供順:ミルク(第1)→ シグネチャー(第2)→ エスプレッソ(第3)

コース 必須項目 プレゼンでの表現 判定
Espresso フレーバー+後味 「ピンクグレープフルーツ、パイナップル」+「ハイビスカスの余韻」
ウェイト 「ミディアムボディ」
テクスチャー 「シルキーなテクスチャー」
Milk フレーバー+後味 「チョコレートブラウニー、ショートブレッド」+「レーズンの余韻」
テクスチャー 明示的表現なし
Signature フレーバー+後味 「ロックメロン、ドライ・サワープラム、ドライジンジャー」
テクスチャー 明示的表現なし
💡 総評:エスプレッソの必須3項目は完全カバー。ミルクとシグネチャーではテクスチャーの明示的表現が確認しにくい。折り紙を使ったストーリーテリングに時間を割いた分、テクスチャーディスクリプターが省略された可能性がある。しかし全コースのフレーバー+後味は的確に表現されている。
5th

イム・ジョンファン(Im Jeonghwan)

🇰🇷 South Korea

Finals Performance — イム・ジョンファン / Im Jeonghwan (South Korea)

Presentation Theme — 「ピクセル:分割と組み合わせで高める体験」

ディスプレイの基本構成要素「ピクセル」をメタファーに使用。ピクセルを細分化すれば画像がきめ細かくなるように、コーヒー作りの工程を洗練させれば味わいが向上するという概念を展開。発酵プロセスの緻密な管理、振動モーター内蔵ディストリビューションツール、ロータリーエバポレーターによるミルク濃縮など、各プロセスの「解像度を上げる」アプローチ。シグネチャーでは「ピクセルを組み合わせる」概念で3つの材料が精製・焙煎・抽出を表現。コース順はE→M→Sの標準順。全コース同一豆(スダンルメ種)。

E

Espresso Course

コロンビア・ラス・マルガリタス農園 — スダンルメ種(ナチュラル)
生産者 / 農園
リゴベルト / ラス・マルガリタス農園(コロンビア・バジェ・デル・カウカ / 1,900m)
精製処理
完熟チェリーのみ選別 → 温度・湿度管理の特注タンクで48h発酵 → 機械乾燥+温室28日間の2段階乾燥
レシピ
20g → 50g / 92℃(全コース共通)
焙煎
スクリーンサイズ15以上選別 / ハロゲン熱源 / DTR 15% / 約10日間レスティング

振動ディストリビューション:一般的なディストリビューションツールに「振動モーター」を内蔵。コーヒーベッドを振動させ粉をより均等に分散・完全に平らにすることで、より高い甘さとより滑らかなテクスチャーを実現。

温水パレットクレンジング:テイスティング前にジャッジに温めたお水を提供。味覚を温め、口と鼻を活性化させ、よりクリアな味わいと香りのために感覚を高める。

Tasting Notes
ルビーグレープフルーツ マスカット レモングラス
ミディアムの甘さ、ミディアム・ハイの酸味、ミディアム・ローの苦味。ミディアムボディ、ジューシーでシルキーなテクスチャー、グリーンアップルのアフターテイスト。
M

Milk Course

ロータリーエバポレーターで濃縮した牛乳
ミルク構成
牛乳1Lを40℃×2hロータリーエバポレーターで蒸留 → 水分30%除去 → 甘さ・滑らかなテクスチャー向上
レシピ
エスプレッソ1:ミルク2 / 50℃スチーム(甘さ最大化)
Tasting Notes
バニラ キャラメル ココナッツ
クリーミーなテクスチャー、ミルクチョコレートの余韻。5回ステア指示。
S

Signature Course

ピクセルの「組み合わせ」— 精製×焙煎×抽出
材料構成
1トロピカル・コーディアル 32g(精製を表現)— ブルーベリー+パッションフルーツジュースに同量の白砂糖→4℃×24h熟成。エスプレッソのブドウのノートと合わせ「ブラッドオレンジ」の新フレーバーを生成。
2コーヒー・オレオサッカルム 20g(焙煎を表現)— 抽出後のコーヒーパック+同量の粗糖+水→24h熟成→フィルター。甘さを強め「紅茶(ブラックティー)」の新フレーバーを生成。
3シグネチャー・アロマウォーター 6g(抽出を表現)— カルダモン10g+シナモンスティック10g+水1Lをロータリーエバポレーターで蒸留。シルキーなテクスチャーと「コーラ」の新フレーバーを付与。

提供:4ショットのエスプレッソ含む全材料を40℃にプレウォーム。ワイングラスで温かく提供。

Tasting Notes
ブラッドオレンジ 紅茶 コーラ
ミディアムボディ、ジューシーでシルキーなテクスチャー、ジンジャーの長く続くフィニッシュ(ペプシコーラを想起)。40℃温提供。

SCORING ディスクリプター充足度チェック

コース 必須項目 プレゼンでの表現 判定
Espresso フレーバー+後味 「ルビーグレープフルーツ、マスカット、レモングラス」+「グリーンアップルのアフターテイスト」
ウェイト 「ミディアムボディ」
テクスチャー 「ジューシーでシルキーなテクスチャー」
Milk フレーバー+後味 「バニラ、キャラメル、ココナッツ」+「ミルクチョコレートの余韻」
テクスチャー 「クリーミーなテクスチャー」
Signature フレーバー+後味 「ブラッドオレンジ、紅茶、コーラ」+「ジンジャーの長く続くフィニッシュ」
テクスチャー 「ジューシーでシルキーなテクスチャー」
💡 総評:全コースで必須・推奨ともに完全充足。エスプレッソとシグネチャーの両方で「ジューシーでシルキー」という同一のテクスチャー表現を使用し一貫性を確保。さらにエスプレッソでは甘さ・酸味・苦味のバランスをミディアム/ミディアム・ハイ/ミディアム・ローとスペクトラム上で精密に位置づけ、審査員との一致度を高める表現を実現。5位という順位は液体のクオリティやプレゼンテーションの差が影響した可能性がある。
6th

Ian Kissick

🇮🇪 Ireland / Formative Coffee

Finals Performance — Ian Kissick (Ireland)

Presentation Theme — 「Formative Experience:形成的な体験の4ステップ」

ロンドンで経営するカフェ「フォーマティブ・コーヒー」の名前の由来である「フォーマティブ(形成的な)体験」をテーマに構成。「ソーシング(調達)→ ロースティング(焙煎)→ ブリューイング(抽出)→ エバリュエーション(評価)」の4ステップのサイクルを軸に、各コースで新たな要素を追加していく教育的プレゼンテーション。WBCにインスピレーションを得た「テイスティング・プロトコル」を自店に導入している実践を共有し、バリスタとゲストの共同作業としてのシグネチャードリンクで締めくくった。コース順はE→M→Sの標準順。

E

Espresso Course

コロンビア・エル・プラセール農園 — ゲイシャ(ホワイトハニー)
産地 / 標高
コロンビア・キンディオ県 エル・プラセール農園 / 2,000m
精製処理
ホワイトハニー — 高標高→ゆっくりとした成熟→複雑な糖分・炭水化物・脂質の発達
焙煎
Loring焙煎機 / DTR 15% / RoR着実減少 / 終了温度204℃ / 全体7分半 / 6週間前焙煎
レシピ
22g → 60g / 30秒 / 94℃ / 収率21.5%

抽出前処理:ブラインドタンブラーに挽き入れ→シェイクで「高密度化(デンシフィケーション)」。粗い粒子の隙間に微粉が閉じ込められ、より密度の高いパック→均一な抽出。

抽出後処理:凍らせた球体「ニュークリアス・パラゴン」を通して抽出。揮発性芳香化合物を捉え、一般的なお茶のノートが明確な「グリーンティー」に変化。

Tasting Notes
グリーンティー ホワイトグレープフルーツ 柚子 ベルガモット
ローからミディアムのウェイト、心地よいグリーンティーのようなわずかなドライさを伴うシルキーなテクスチャー。
💡 審査指示:クレマ評価→6回ステア→一口目はタクタイル(ウェイト・テクスチャー)に注目→二口目はフレーバーに注目。トレイ間のパネルにノート記載。
M

Milk Course

コロンビア・パライソ92農園 — イエローブルボン種
品種 / 産地
イエローブルボン / コロンビア・カウカ県 パライソ92農園
精製処理
2回の長い嫌気性発酵(1回目にサッカロマイセス・パストリアヌス酵母を導入)→ トロピカルフルーツのノート(マンゴー)
ミルク構成
50:50ブレンド — 凍結濃縮ジャージー牛乳(伝統 = 甘さ・クリーミーさ)+ 凍結濃縮オーツミルク(革新 = 構造化された酸味・透明度)
レシピ
22g → 55g / ミルク60g / 55℃スチーム→48℃提供温度

伝統と革新の融合:ジャージー牛乳が「伝統」、オーツミルクが「革新」を象徴。このビバレッジは伝統でお客様を引き込み、革新を通じてコーヒーに対する考え方を変える。

Tasting Notes
ラムレーズン マンゴー ピーチ カカオニブ
6回ステアしてから評価。48℃提供温度(カップの中で最も甘みを感じるポイント)。
S

Signature Course

バリスタとゲストの共同作業

カフェのお客様をバーカウンターに招き入れ、コーヒーをテイスティングしてもらい、材料を提案してもらった「共同作業の賜物」。

材料構成
1エスプレッソコースと同じゲイシャ 4ショット — ハイパーチラーで冷却。甘さ・複雑さ・酸味の土台。
2ビルベリーシロップ 24g — 同量ビルベリー+サトウキビ糖を60℃×2h煮込み→濾過。共通揮発性芳香化合物により「ラズベリー」の新フレーバーを生成。
3缶詰パイナップルジュース 24g — お客様の提案。エスプレッソとパイナップルジュースが「オレイン酸」を同程度共有→シルキーなテクスチャーの共通性。「ピーチ」の新フレーバーを生成。
4ホエイ(乳清)48g — ミルクの凍結濃縮プロセスの廃液200gを8hペーパーフィルター。サステナビリティ+乳酸成分がクリーミーさを付与(クリームの触覚成分なしに)→フレーバー透明度向上。「ホワイトグレープ」の新フレーバー。

提供:3Dプリンター製ショットスプリッターで均等分配。細ステムのギムレットグラス(フレーバー強度を際立たせる)。10.5℃提供。

Tasting Notes
ラズベリー ピーチ ホワイトグレープ
💡 審査指示:ステムを持って何口でも好きなだけ。「誰もがまだコーヒーの旅の途中」で締めくくり。

SCORING ディスクリプター充足度チェック

コース 必須項目 プレゼンでの表現 判定
Espresso フレーバー+後味 「グリーンティー、ホワイトグレープフルーツ、柚子、ベルガモット」(後味は暗示的)
ウェイト 「ローからミディアムのウェイト」
テクスチャー 「グリーンティーのようなわずかなドライさを伴うシルキーなテクスチャー」
Milk フレーバー+後味 「ラムレーズン、マンゴー、ピーチ、カカオニブ」— 後味の明示的表現なし
テクスチャー 明示的表現なし
Signature フレーバー+後味 「ラズベリー、ピーチ、ホワイトグレープ」— 後味の明示的表現なし
テクスチャー 明示的表現なし
💡 総評:エスプレッソの必須3項目は完全かつ精密にカバー。特に「グリーンティーのようなわずかなドライさを伴うシルキー」というテクスチャー表現は非常に具体的で、審査員との一致度を高める優れた言語化。しかしミルクとシグネチャーの両方で後味とテクスチャーの明示的表現が動画トランスクリプトから確認しにくく、ディスクリプターカバレッジの差が順位に影響した可能性がある。
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Cross Analysis: 6人の統括トレンド

産地・品種・フレーバー傾向・タクタイル・テクスチャー・提供温度・ミルク構成の横断分析