MICE Melbourne — Pre-Reform Era Final Edition
2022

World Barista Championship

Finals Presentation Analysis

Melbourne, Australia September 27–30, 2022
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⚠️ 本資料はAI(Claude・NotebookLM・Gemini)を使用して作成されたものであり、内容に誤りが含まれる可能性があります。正確性については元動画・公式ルール文書をご確認ください。
Competition Overview

2022 WBC ファイナル概要

2022年ワールドバリスタチャンピオンシップは、オーストラリア・メルボルンのMICE(Melbourne International Coffee Expo)で開催。パンデミックにより2020年大会がキャンセルされた後、メルボルンでの開催は2013年以来9年ぶり。2023年の大規模ルール改定(植物性ミルク解禁・新評価スケール)の「直前」にあたる最後の旧ルール大会であり、牛乳のみ使用義務・全0〜6スケール(半点あり)・ミルクへの添加物許可という条件下での最高峰の戦い。地元オーストラリアのAnthony Douglasがホームタウン優勝を果たし、クライオデシケーション・ミルクという革新的技術で歴史に名を刻んだ。エウゲニオイデス種やロブスタ種の登場など、品種多様化の加速も顕著だった。

テーブルセット7分(制限時間)
準備時間15分
競技パフォーマンス15分(16分超で失格)
片付け7分(制限時間)
Rules & Regulations

2022年 競技ルール要点(2023年大改定の直前 / 旧ルール最終年)

3カテゴリ × 4杯 = 計12杯

エスプレッソ・ミルクビバレッジ・シグネチャービバレッジの各カテゴリ4杯を4名のセンサリージャッジに提供。提供順は自由だが、1カテゴリを完了してから次に移る必要あり。ミルクビバレッジは240ml未満。

🥛

牛乳(Cow’s Milk)のみ

2022年ルールでは「ミルクビバレッジはエスプレッソ1ショットとスチームした牛乳の組み合わせ」と明記。植物性ミルクの使用は0点。ただしミルクへの添加物(ラクターゼ酵素・クライオデシケーション粉末等)は許可されていた。2023年に植物性ミルク解禁+添加物禁止へと逆転。

📊

全0〜6スコアリング(半点あり)

すべての評価項目が0〜6スケールで統一。半点(0.5刻み)も使用可能。2023年にSCA Coffee Value Assessment準拠の新スケール(Yes/No・0〜3精度・0〜3印象・0〜6体験の4種類)に大幅変更。

🔬

タクタイル評価(後味と統合 / 義務なし)

エスプレッソの後味評価がタクタイルと統合されたまま。ウェイト・テクスチャーの「必須ディスクリプター」義務もなし(2023年に義務化)。ただし上位選手は自主的にタクタイル表現を詳述しており、本資料では各選手が自主的に言及した部分を「参考充足度」として記録する。2023年以降との比較材料として有用。

🌡

抽出温度:固定制

2022年は抽出温度の個別選択制が未導入。2023年から90.5〜96℃の範囲でグループヘッドごとに温度選択可能に。スポンサーマシン:Victoria Arduino。グラインダー:Mahlkönig。

プレゼンテーション評価

総合印象(ジャッジーズ・トータル・インプレッション)では、全体的なコーヒー体験の一体性、バリスタの情熱と熱意、ロールモデルとしての資質が評価対象。「独自性(Originality)」の明示的評価は2023年に導入。

15分 + 減点制

パフォーマンスは最大15分。超過1秒につき1点減点。16分超過で即失格。シグネチャーの仕込みのみ競技時間中いつでも可能。

🏆

ラウンド構成 & 審査体制

Round 1(全選手)→ セミファイナル(上位15名+ワイルドカード1名)→ ファイナル(上位6名)。各ラウンドのスコアはリセット。Round 1:センサリー4名+テクニカル2名+ヘッド1名。セミ・ファイナル:センサリー4名+ヘッド1名。

1st

Anthony Douglas

🇦🇺 Australia / Axil Coffee Roasters

Finals Performance — Anthony Douglas (Australia)

Presentation Theme — 「信頼(Trust):4つの重要な決断」

「バリスタが説明した通りのコーヒー体験をした最後の時を思い出してほしい」という問いかけから始まり、期待を創り出すたびに約束をしている、その約束を守ることが信頼を築くというフレームワーク。4つの重要な決断(①ネストルの80h嫌気性発酵、②WDTツール、③1ハゼ+2℃+ディベロップメント24%の焙煎、④ミルク・クライオデシケーション)を軸に、各決断をシグネチャードリンクの材料と結びつけるインタラクティブな構成。エスプレッソは50℃まで冷却し「アロマティック・ディスク」で揮発性芳香化合物を捕捉する革新的提供法。すべてのコースに共通するコロンビア・エル・ディビソ農園のシドラ種を使用。

E

Espresso Course

シドラ種 — エル・ディビソ農園(コロンビア・ウィラ)
生産者 / 農園
ネストル・ラッソ / El Diviso(コロンビア・ウィラ)
精製処理
嫌気性ナチュラル(80時間発酵)→ 高濃度有機酸+大きく明確なフレーバー
レシピ
22.5g → 38g / 28秒 / WDTツール使用 / 50℃まで冷却提供
焙煎
1ハゼ+2℃終了温度 / ディベロップメント24% / 外側明るめ・溶解性と甘さ確保

アロマティック・ディスク:エスプレッソ提供後、クレマ評価の後に紫色のディスクをカップに乗せ50℃まで冷却。揮発性芳香化合物を捕捉し、ブラックベリーのフレーバーノートを際立たせる。2口に分けてテイスティング。

Tasting Notes
ブラックベリーチェリーレッドワイン
ミディアムウェイト、ジューシーなテクスチャー、長く続く赤ワインのタンニンのようなフィニッシュ。
M

Milk Course

クライオデシケーション・ミルク(900%濃縮粉末30g + 元ミルク300g)
ミルク構成
凍結ミルク → 真空チャンバー+穏やかな熱×24h → 昇華で水分除去 → 900%濃縮粉末。30gを元ミルク300gで再水和 → 糖分・脂肪・タンパク質の濃度2倍
レシピ
22.5g → 38g / 28秒 / ミルク90g / スチーム55℃→50℃提供

クライオデシケーション(低温真空乾燥):凍らせた牛乳をチャンバーに入れ、圧力を下げて真空を作り、24時間かけて穏やかな熱を加える。凍った水分が直接気体へと昇華し、900%濃縮された粉末が残る。2022年WBCで最も注目された革新技術。2023年からミルク添加物禁止ルールが導入されたため、この手法が使えた最後の年。

Tasting Notes
チェリーバタースコッチチョコレートムース
50℃提供によりチェリーのフレーバーノートが際立つ。エル・ディビソの酸味を引き上げる冷却アプローチ。
S

Signature Course

4つの決断 = 4つの材料 = 4つのフレーバー
材料構成(2コンポーネント構成)
1乳酸発酵パッションフルーツ 5g(第1の決断:嫌気性発酵を表現)— パッションフルーツ+塩1%、室温5日間発酵。鮮やかなクエン酸酸味。「プラム」の新フレーバー。
2コロンビア産ハチミツ 5g(第2の決断:WDTを表現)— エル・ディビソ農園のミツバチが生産。複雑さを付与。「サルタナ(ゴールデンレーズン)」の新フレーバー。
3水出しハイビスカスティー 5g(第3の決断:焙煎を表現)— ハイビスカス1:水15、4℃×12h。ワインのようなタンニンに複雑さ。「クランベリー」の新フレーバー。
4クライオデシケーション・デーツシロップ 5g(第4の決断:ミルク・クライオデシケーションを表現)— デーツ1:水1、60℃×3hスーヴィード後クライオデシケーション。「甘いトフィー」の新フレーバー。

提供:コンポーネント①(ミルクレシピのダブルエスプレッソ+デーツシロップ+ハイビスカスティー)は窒素充填+湯煎で「ネクターのようなテクスチャー」。コンポーネント②(エスプレッソレシピのダブルエスプレッソ+パッションフルーツ+ハチミツ)はマグネティックスターラーで甘さと明瞭さを際立たせる。50℃提供+アロマティック・ディスク。3口でテイスティング。

Tasting Notes
プラムサルタナクランベリー甘いトフィー
ネクターのようなテクスチャー(窒素充填)。50℃温提供。アロマティック・ディスクで芳香化合物を捕捉。

SCORING ディスクリプター充足度チェック(参考:2022年はウェイト/テクスチャー義務なし)

※ 2022年ルールではウェイト・テクスチャーの明示的ディスクリプターは義務ではない。以下は選手が自主的に言及した表現の記録。

コース項目プレゼンでの表現判定
Espressoフレーバー+後味「ブラックベリー、チェリー、レッドワイン」+「長く続く赤ワインのタンニンのようなフィニッシュ」
ウェイト「ミディアムの重量感」
テクスチャー「ジューシーなテクスチャー」
Milkフレーバー+後味「チェリー、バタースコッチ、チョコレートムース」
テクスチャー明示的表現なし(クライオデシケーションの技術説明内で言及)
Signatureフレーバー+後味「プラム、サルタナ、クランベリー、甘いトフィー」
テクスチャー「ネクターのようなテクスチャー」(窒素充填)
💡 総評:エスプレッソでウェイト・テクスチャー・後味の3項目を自主的に完全カバー。特に「ジューシーなテクスチャー」「赤ワインのタンニンのようなフィニッシュ」は、2023年以降の必須ディスクリプター基準でも十分な精度。ミルクコースのテクスチャー明示がやや弱いが、クライオデシケーションの技術説明が事実上のテクスチャー表現として機能。
2nd

Morgan Eckroth

🇺🇸 United States / Onyx Coffee Lab

Finals Performance — Morgan Eckroth (United States)

Presentation Theme — 「時を巡る旅:絶滅と再生(Extinction & Renewal)」

パンデミックによるホスピタリティの危機から始まり、「コーヒーの繋がりと回復力の再生は過去の中に見出せる」というテーゼを展開。2種類のコーヒーを使用し、ミルクコースにはアラビカ種の親であるエウゲニオイデス種(気候変動による絶滅危機からの「再生」の象徴)、エスプレッソにはスダンルメ種を提供。提供順はM→E→S(非標準)。シグネチャーではエスプレッソカップをハンマーで割り、金継ぎで修復したカップからドリンクを提供するという衝撃的な演出。「壊れたものの先に目を向け、新しく作り直されたものから一口飲んでください」というメッセージで締めくくり。

M

Milk Course(第1コース)

エウゲニオイデス種 — フィンカ・インマクラーダ(コロンビア)
品種 / 産地
エウゲニオイデス / ナチュラル / Finca Inmaculada(コロンビア・アンデス)/ オルギン家
レシピ
23g(アップドーズ)→ 約36g / 25秒 / フリーズディスティル・ミルク(水分30%除去)

エウゲニオイデスの採用理由:アラビカ種の親の一つであるこの種は、かつてほぼ失われかけていた古代の種。低い酸味と複雑な糖分の発達が特徴。ミルクの脂肪分とエウゲニオイデスの糖分が合わさることで、ユニークな「お菓子」のノートが生まれる。

Tasting Notes
クレームブリュレイエローケーキバッター溶けたチョコレートアイスクリームプラリネ
非常に分厚く(シック)、重い重量感(ヘビーウェイト)。バターのようでリッチ。ホワイトチョコレートのように口の中を覆うフィニッシュ。
E

Espresso Course(第2コース)

スダンルメ種 — フィンカ・インマクラーダ(コロンビア)
品種 / 産地
Sudan Rume / ナチュラル / Finca Inmaculada(コロンビア)/ オルギン家
レシピ
18.2g → 40g / 25秒 / 焙煎:191℃ドロップ温度、8分バッチ

VR演出:審査員にインマクラーダ農園の映像を目の前の画面で見せながらエスプレッソを提供。「オレンジブロッサムの畑と柑橘類、計り知れない思いやりと努力の場所」を追体験させる没入型体験。

Tasting Notes
ピンクグレープフルーツフローラルなバラ生砂糖キウイ
ミディアムウェイト。植物性オイルと酸が口を覆い、滑らかでシルキー。フローラルなバラの余韻、キウイがライムへと変化する長い余韻。
S

Signature Course(第3コース)

スダンルメ・エスプレッソ — 金継ぎカップ提供
材料構成
1冷却済みスダンルメ・エスプレッソ 80g — ベース。グレープフルーツ風味のベース。
2ルロ(Lulo)ジュース 30g — コロンビア原産のレモンのような柑橘類。エスプレッソのグレープフルーツ風味と合わさり「タマリンド」「メープル」の新フレーバー。
3デメララシュガー・シンプルシロップ 20g(1:1)— 甘さを付与。
4塩味パイナップルジュース 30g — 塩水のバランス効果。エスプレッソの甘さと合わさり「スパイスの効いたココア」の新フレーバー。
5フリーズディスティル・ミルク 20g — ミルクコースからの「過去」の引用。「クリームソーダ」のテクスチャーとフレーバー。
6Perlini炭酸充填 + OBW+アニスティー・スプレー — 発泡性テクスチャー。アグアルディエンテ(コロンビア国民的リキュール)のお祝いの芳香体験。

金継ぎ演出:エスプレッソカップをハンマーで叩き割り(絶滅の象徴)、日本の金継ぎ技術で修復したカップからシグネチャーを提供(再生の象徴)。「壊れたものを金で修復し、さらに強いものへと変える」。

Tasting Notes
タマリンドジュースクリームソーダメープルスパイスの効いたココア
ミディアムウェイトだが炭酸で味覚的にはより軽く。滑らかでジューシー→クリーミー→弾けるような発泡性へと発展。複雑なスパイスのフィニッシュ。

SCORING ディスクリプター充足度チェック(参考)

※ 提供順:ミルク(第1)→ エスプレッソ(第2)→ シグネチャー(第3)

コース項目プレゼンでの表現判定
Milk(第1)フレーバー+後味「クレームブリュレ、イエローケーキバッター、チョコレートアイスクリーム、プラリネ」+「ホワイトチョコレートのコーティングフィニッシュ」
ウェイト「非常に分厚く、重い重量感(ヘビーウェイト)」
テクスチャー「バターのようでリッチ」「ホワイトチョコレートのようにコーティング」
Espresso(第2)フレーバー+後味「ピンクグレープフルーツ、バラ、生砂糖、キウイ」+「フローラルなバラ→キウイがライムに変化する長い余韻」
ウェイト「ミディアムの重量感」
テクスチャー「植物性オイルと酸が口を覆い、滑らかでシルキー」
Signature(第3)フレーバー+後味「タマリンド、クリームソーダ、メープル、スパイスの効いたココア」+「複雑なスパイスのフィニッシュ」
ウェイト「ミディアムの重量感だが炭酸で味覚的にはより軽く」
テクスチャー「滑らかでジューシー→クリーミー→弾けるような発泡性」(3段階変化)
💡 総評:全コースでウェイト・テクスチャー・後味の3項目を完全自主カバー。特にシグネチャーの「滑らか→クリーミー→発泡性」という3段階テクスチャー変化表現は、2023年以降の基準でも群を抜く精度。ミルクコースの「ヘビーウェイト」宣言は6名中唯一のヘビー域。エウゲニオイデスの低酸味・高糖分特性を最大限に活かした設計。
3rd

Claire Wallace

🇬🇧 United Kingdom

Finals Performance — Claire Wallace (United Kingdom)

Presentation Theme — 「意図を持った発酵(Intentional Fermentation):コーヒーフレーバーの未来」

「コーヒーのフレーバーの未来は意図的な発酵にある」という明確なテーゼから始まる。コロンビア・トリマ県のフィンカ・ラ・ネグリータ農園のマウリシオ・シャッター博士による「サッカロマイセス・セレビシエ(出芽酵母)」接種、CO₂充填による嫌気性環境、温度18℃以下・pH4.5以下の精密管理を詳細に解説。発酵の科学を全コースに一貫して適用し、ミルクでは乳酸菌発酵、シグネチャーではコンブチャ・ブルーベリー発酵など、多層的な発酵アプローチを展開。2023年WBCでPatrik Rolfも同農園のコーヒーを使用(レッドゲイシャ)。

E

Espresso Course

ティピカ(ティピカ×レッドブルボン交配)— ラ・ネグリータ農園(コロンビア・トリマ)
生産者 / 農園
Dr. マウリシオ・シャッター / Finca La Negrita(コロンビア・トリマ / 1,900m / 火山性土壌)
精製処理
ナチュラル / 20ブリックスで収穫 → 次亜塩素酸ナトリウム洗浄 → S. cerevisiae接種 → CO₂充填密閉タンク48h / 18℃以下・pH4.5以下 → 20℃乾燥
レシピ
20g → 39g / 94℃ / 全コース同一レシピ
発酵の特徴
嫌気性環境でCO₂生成を抑え乳酸生成に焦点 → ウェイトとジューシーさ増加 → 一貫したフレーバー
Tasting Notes
レッドチェリープラムダークチョコレート
ミディアムウェイト、ジューシーなテクスチャー、長く続くダークチョコレートの余韻。5回かき混ぜてからテイスティング。
M

Milk Course

凍結濃縮ミルク(水分40%除去)+ 乳酸菌発酵
ミルク構成
全乳 → 凍結濃縮(最初に溶け出す40%を除去)→ 脂肪分・糖分含有量増加 / エスプレッソ1:ミルク2
発酵要素
殺菌処理から5日経過のミルク → ラクトバチルス(乳酸菌)が糖分を消費 → 乳酸生成 → ウェイト増加・ヨーグルトのような酸味
Tasting Notes
ストロベリー砂糖マカダミアナッツドライマンゴー
クリーミーなテクスチャー。5日経過ミルクの酸味レベルがドライマンゴーのフレーバーを際立たせる。
S

Signature Course

3つの発酵材料 — 窒素充填
材料構成
125℃冷却エスプレッソ — 冷却でより甘く、シロップのような触感に。
2レッドチェリー+プラム抽出液 10g — 同量のフルーツ+同重量の水、60℃×3hスーヴィード。エスプレッソのフレッシュフルーツ風味を強調。
3ホエイ(乳清)15g — 全乳100g+コンブチャ30g → 凝固 → ホエイを濾し取り。ウェイト増加、乳酸の酸味、「ピーチ」の新フレーバー。
4発酵ブルーベリー液 15g — ブルーベリーを真空パック×室温5日間→乳酸菌が糖分を消費。1:4に薄めてクラリファイ。「ブラックベリー」の新フレーバー。
5塩味OBW 0.5g + 窒素充填 — 10%塩水5:OBW1。全フレーバーを引き立て、ブルーベリー発酵液と合わさり「レモンピール」の新フレーバー。
Tasting Notes
ピーチブラックベリーレモンピール
窒素充填による心地よい厚みのあるテクスチャー。ワインのようなタンニンと、レモンピールの長く続くフィニッシュ。

SCORING ディスクリプター充足度チェック(参考)

コース項目プレゼンでの表現判定
Espressoフレーバー+後味「レッドチェリー、プラム、ダークチョコレート」+「長く続くダークチョコレートの余韻」
ウェイト「ミディアムなウェイト」
テクスチャー「ジューシーなテクスチャー」
Milkフレーバー「ストロベリー、砂糖、マカダミアナッツ、ドライマンゴー」
テクスチャー「クリーミーなテクスチャー」
Signatureフレーバー+後味「ピーチ、ブラックベリー、レモンピール」+「ワインのようなタンニンとレモンピールの長く続くフィニッシュ」
テクスチャー「窒素充填による心地よい厚みのあるテクスチャー」
💡 総評:全コースで自主的にテクスチャーを明示。エスプレッソの「ジューシー」、ミルクの「クリーミー」、シグネチャーの「厚みのある」と各コースで異なるテクスチャー表現を使い分けた。発酵の科学的説明に多くの時間を割きつつも、ディスクリプターの精度を維持した点が3位の原動力。
4th

Takayuki Ishitani

🇯🇵 Japan

Finals Performance — Takayuki Ishitani (Japan)

Presentation Theme — 「アラビカ × ロブスタ:ファイン・ロブスタの可能性」

WBCファイナルという最高の舞台でロブスタ種(ベトナム産TR4)をアラビカ種(パナマ・ハートマン農園ゲイシャ)とブレンドして提供するという、非常にメッセージ性の強い挑戦。「現代の素晴らしい発酵技術のおかげで、ロブスタ特有の重厚な苦味が非常に丸みを帯びたものに変容した」という主張。気候変動を見据えたサステナビリティの観点から、高品質なファイン・ロブスタの価値を世界に提案。シグネチャーでは日本の「黒糖」と「麹菌(Koji)」を使用し、日本の発酵文化とコーヒーの融合を実現。

E

Espresso Course

ゲイシャ(パナマ)+ TR4ロブスタ(ベトナム)ブレンド
アラビカ
ゲイシャ / ナチュラル・アナエロビック(100h嫌気性発酵)/ Finca Hartmann(パナマ)/ ラティボール・ハートマン
ロブスタ
TR4 / ベトナム / 嫌気性発酵により特有の苦味が丸みを帯びる
Tasting Notes
パイナップルオレンジレッドグレープオレンジブロッサム
酸味はミディアム・スパークリング、甘さミディアム、苦味ロー。ミディアムボディ、スムースなマウスフィール、長く続くアフターテイスト。5回かき混ぜてからテイスティング。
M

Milk Course

ゲイシャ17g + ロブスタ3g → 48g
ブレンド比率
ゲイシャ17g + TR4ロブスタ3g → 48g抽出(エスプレッソよりロブスタ比率を下げてバランス調整)
Tasting Notes
ダークチョコレートダークチェリーほのかなラム酒
S

Signature Course

黒糖 × 麹菌 — 日本の発酵文化との融合
材料構成
1エスプレッソ(ゲイシャ+ロブスタブレンド) — ベース。
2黒糖シロップ 15g(黒糖1:水1)— サトウキビの絞り汁を長時間煮詰めた日本の砂糖。強烈な個性がエスプレッソの甘さと相乗。「トンカ豆」の新フレーバーに変容。
3麹菌発酵コーヒーパルプ 0.5g — コーヒーの果肉(カスカラ)に麹菌を接種。甘く豊かな旨味(Umami)のある赤いフルーツのノートへ変化。レッドグレープが「ブラッドオレンジ」に変容。

提供:ステンレス製アイスキューブで冷却シェイク。冷提供のエスプレッソ・モクテル。

Tasting Notes
グレープフルーツブラッドオレンジトンカ豆
スムースな口当たり、ダークチョコレートの長く続くアフターテイスト。冷提供。

SCORING ディスクリプター充足度チェック(参考)

コース項目プレゼンでの表現判定
Espressoフレーバー+後味「パイナップル、オレンジ、レッドグレープ、オレンジブロッサム」+「長く続くアフターテイスト」
ウェイト「ミディアムボディ」
テクスチャー「スムースなマウスフィール」
Milkフレーバー「ダークチョコレート、ダークチェリー、ほのかなラム酒」
テクスチャー明示的表現なし
Signatureフレーバー+後味「グレープフルーツ、ブラッドオレンジ、トンカ豆」+「ダークチョコレートの長く続くアフターテイスト」
テクスチャー「スムースな口当たり」
💡 総評:エスプレッソでは酸味・甘さ・苦味の3軸バランスを「ミディアム・ミディアム・ロー」と明示的に配置し、2023年基準でも十分な精度。ミルクコースのテクスチャー表現がやや弱いが、ロブスタの「丸みを帯びた苦味」という独自のフレーバー変容を科学的に説明した点が4位入賞の決め手。WBCファイナルでロブスタを使用した先駆的挑戦。
5th

Benjamin Put

🇨🇦 Canada / Monogram Coffee

Finals Performance — Benjamin Put (Canada)

Presentation Theme — 「O₂ と CO₂:2つのガスのバランスが世界とコーヒーを形作る」

「深呼吸」から始まるプレゼンテーション。数十億年前のシアノバクテリアによる酸素生成から、酸素と二酸化炭素の繊細なバランスがコーヒーの発酵にも直結することを科学的に展開。嫌気性発酵のゲイシャ(エリダ農園)と好気性発酵のマラゴジッペ(モンテベルデ農園)の2種類を使い分け、精製タンク内のガス環境がフレーバーを決定するメカニズムを解説。ミルクコースでは「地球上で最後のこのマラゴジッペ」(気候変動によるコーヒーさび病で生産終了)という衝撃的な事実を共有。エスプレッソはシリンジ(注射器)で提供し、CO₂除去+酸化防止。

E

Espresso Course

ゲイシャ — エリダ農園(パナマ・ボケテ)
品種 / 産地
ゲイシャ / アナエロビック・ウォッシュト / Elida Estate(パナマ・ボケテ)/ ラマストゥス家
精製処理
果肉除去 → ステンレスタンク5日間 → バクテリアがCO₂生成→O₂排出 → 嫌気性バクテリア+乳酸菌が繁殖
提供方法
シリンジ(注射器)で提供 → 冷却・混合・CO₂除去・酸化防止を同時達成
Tasting Notes
オレンジブロッサムブラッドオレンジネクタリンバニラシュガー
ミディアムボディ、丸みがありスムース。シトラスとフローラルの長く心地よいフィニッシュ。
M

Milk Course

マラゴジッペ — モンテベルデ農園(コロンビア・トリマ)「最後の一杯」
品種 / 産地
マラゴジッペ / エアロビック(好気性)ナチュラル / Finca Monteverde(コロンビア・トリマ)/ グティエレス家
精製処理
開放タンク3日間 → 好気性バクテリアが効率的に炭水化物を変換 → 新しいフレーバー生成

「地球上で最後のマラゴジッペ」:気候変動と気温上昇によりコーヒーさび病が広がり、マラゴジッペは特に弱いため、グティエレス家にとってこの品種の生産は持続不可能に。審査員が飲んでいるのは、この農園の最後のマラゴジッペ。

Tasting Notes
チョコレートミルクシェイクドゥルセ・デ・レチェストロベリーバナナカスタード
フィニッシュにチョコレートムースとして再び現れるチョコレートノート。
S

Signature Course

嫌気性 × 好気性 × 窒素 — 3つのガスのバランス
材料構成
1ゲイシャ50% + マラゴジッペ50% ブレンドエスプレッソ — 嫌気性と好気性の融合。
2乳酸発酵ストロベリージュース 3g(嫌気性発酵)— ストロベリー200g+ミルクケフィア、密閉5日間。乳酸菌がクエン酸を分解→酸味緩和+クリーミーなボディ。マラゴジッペのフルーツノートを「ウォーターメロン」「ピンクグレープフルーツ」に変容。
3プーアル茶コールドブリュー 60g(好気性発酵)— プーアル茶40g+水200g、コールドドリップで数時間。好気性発酵された茶葉のフローラルノートが「ジャスミングリーンティー」のフィニッシュ。
4窒素充填 — O₂、CO₂、N₂の3つのガスのバランス。「完璧な不均衡(Perfectly imbalanced)」。容器自体を冷却(氷の希釈を防止)。
Tasting Notes
ウォーターメロングリーンアップルネクタリンピンクグレープフルーツ
ベルベットのようなテクスチャー → ジューシーに変化。ジャスミングリーンティーの長い余韻。冷提供。

SCORING ディスクリプター充足度チェック(参考)

コース項目プレゼンでの表現判定
Espressoフレーバー+後味「オレンジブロッサム、ブラッドオレンジ、ネクタリン、バニラシュガー」+「シトラスとフローラルの長く心地よいフィニッシュ」
ウェイト「ミディアムボディ」
テクスチャー「丸みがあり、スムース」
Milkフレーバー+後味「チョコレートミルクシェイク、ドゥルセ・デ・レチェ、ストロベリー、バナナカスタード」+「チョコレートムースのフィニッシュ」
テクスチャー明示的表現なし
Signatureフレーバー+後味「ウォーターメロン、グリーンアップル、ネクタリン、ピンクグレープフルーツ」+「ジャスミングリーンティーの長い余韻」
テクスチャー「ベルベットのようなテクスチャー → ジューシーに変化」
💡 総評:エスプレッソ・シグネチャーではウェイト・テクスチャーを完全カバー。特にシグネチャーの「ベルベット→ジューシー」というテクスチャー変化表現が秀逸。ミルクコースはフレーバーの豊かさ(4つのノート+フィニッシュ)に対してテクスチャー表現がやや弱い。「最後のマラゴジッペ」という環境メッセージの強さが印象を支配。
6th

Patrik Rolf

🇸🇪 Sweden / April Coffee Roasters

Finals Performance — Patrik Rolf (Sweden)

Presentation Theme — 「品種当てゲーム(Guess the Varietal)」

あえて最初にコーヒーの品種を明かさず、審査員を2人1組のペアに分けてブラインドテイスティングで品種を当てさせるという、WBC史上でも類を見ないエンターテインメント性の高いアプローチ。パナマ・エスメラルダ農園の2品種(エスプレッソ:ゲイシャ、ミルク:SL34)を使用。「品種はスペシャルティコーヒーのまさに心であり、魂であり、ヒーローである」というメッセージで締めくくり。2023年WBCでは6位(デンマーク代表)→ 植物性ミルクを使用した唯一のファイナリストとして再登場。ラクターゼ酵素によるミルクの甘さ増強が特徴。

E

Espresso Course

ゲイシャ — エスメラルダ農園(パナマ)
品種 / 産地
ゲイシャ / ウォッシュト / Esmeralda Farm(パナマ / 約1,600m)/ レイチェルと農園チーム
精製処理
完璧な熟度で手摘み → 洗浄 → レイズドベッド40日以上 → 美しいフルーツ感
レシピ
19g → 42g / チルド・ポルタフィルター使用(アロマ成分を高め複雑さ増加)
焙煎
2週間前に焙煎 / ディベロップメントタイム2分 → ボディとテクスチャー付与
Tasting Notes
熟したアプリコットオレンジブロッサムキャンディードレモンベルガモット
ロー〜ミディアムのクリーミーなボディ、ベルガモットを際立たせる長く続く風味豊かなアフターテイスト。最高級の熟成シャンパンを思わせる感覚:スパークリング、ミネラル感、たっぷりの甘さ、ドライなニュアンス。
M

Milk Course

SL34 — エスメラルダ農園(パナマ)/ ラクターゼ酵素添加ミルク
品種
SL34(ケニア原産、エスメラルダ農園で栽培)/ リン酸の酸味と明るいフレーバーノートが特徴
ミルク構成
乳脂肪分4%・ノンホモジナイズ / ラクターゼ酵素10滴を24h前に添加 → ラクトースをグルコース+ガラクトースに分解 → 甘さ大幅増加 / 80g:20g / 50℃スチーム
Tasting Notes
ストロベリーブラックベリーチェリーカカオ
S

Signature Course

ゲイシャ4ショット + トンカ豆×ライムピール・シロップ
材料構成
1ゲイシャ・エスプレッソ4ショット 80g — ストーンフルーツとフローラルのベース。
2トンカ豆×ライムピール・シロップ 15g — トンカ豆12g+ライムの皮12g+グルコースパウダー500g+水1L → サーマルミキサー60℃×60分。トンカ豆のブラウンスパイス+バニラ→レモンフレーバーと混ざり「レッドチェリーコーラ」。ライムの皮のフローラルさ→OBWと混ざり「ジャスミン」「グリーンアップル」。グルコース→ストーンフルーツと混ざり「マンゴー」。
3氷 50g + エアレーション — 氷で少し薄めてフレーバーを開かせ、10秒間ブレンドでテクスチャー向上。

2口テイスティング設計:1口目はトロピカルな感覚+ジャスミンのフローラルさ。2口目はよりジューシーでリンゴ酸+アップルの品質にフォーカス。両方にレッドチェリーコーラのアフターテイスト。

Tasting Notes
マンゴージャスミングリーンアップルレッドチェリーコーラ

SCORING ディスクリプター充足度チェック(参考)

コース項目プレゼンでの表現判定
Espressoフレーバー+後味「アプリコット、オレンジブロッサム、キャンディードレモン、ベルガモット」+「ベルガモットの長く続くアフターテイスト」
ウェイト「ロー〜ミディアムのクリーミーなボディ」
テクスチャー「最高級の熟成シャンパンのよう:スパークリング、ミネラル感、ドライ」
Milkフレーバー「ストロベリー、ブラックベリー、チェリー、カカオ」
テクスチャー明示的表現なし(ラクターゼの技術説明に集中)
Signatureフレーバー+後味「マンゴー、ジャスミン、グリーンアップル、レッドチェリーコーラ」+「レッドチェリーコーラのアフターテイスト」
テクスチャー明示的表現なし(1口目トロピカル→2口目ジューシーの体験設計で言及)
💡 総評:エスプレッソでは「熟成シャンパン」という比喩的かつ多層的なテクスチャー表現が際立つ。ミルク・シグネチャーではテクスチャーの明示的表現が弱いが、「品種当てゲーム」というエンターテインメント性に時間を割いた結果と推測される。2023年WBCでは「ホイップクリームのようにベルベットなテクスチャー」と表現を強化。2年連続ファイナリスト。
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Cross Analysis: 6人の統括トレンド

産地・品種・精製・フレーバー傾向・ミルク構成・テーマの横断分析