← 大会分析一覧 WBrC 2023 ファイナル分析
World of Coffee Athens
2023

World Brewers Cup

Finals Presentation Analysis — 6 Finalists

Athens, GreeceJune 22–24, 2023
⚠️ 本資料はOpenAI・AnthropicのAIを活用して作成。内容に誤りが含まれる可能性があります。正確性は元動画・公式ルール文書をご確認ください。
Competition Overview

2023 WBrC ファイナル概要

2023年ワールドブリュワーズカップは、World of Coffee Athens(ギリシャ・アテネ)で開催。パンデミック以降最大のルール改定年であり、Semi-Finals(準決勝)ラウンドが初めて導入された歴史的大会。Round 1(Open Service)→ Semi-Finals(Compulsory Service、上位12名)→ Finals(Open Service、上位6名)の3ラウンド制。ファイナルのOpen ServiceスコアにSemi-FinalsのCompulsoryスコアを加算し、合計で最終順位を決定。

Round 1Open Service(全選手)
Semi-FinalsCompulsory(上位12名)
FinalsOpen Service(上位6名)
💡 2023年の歴史的意義:2022年以前はR1でOpen+Compulsory両方を実施する2ラウンド制だった。Semi-Finalsの分離により、Compulsoryスコアの持ち越しが順位に直結する新フォーマットがこの年から始まった。このフォーマットは2024年シカゴ大会にもそのまま継続された。
Rules & Regulations

競技ルール要点(2023年版)

☕ 3杯 × 個別抽出

3名のセンサリージャッジに各1杯を個別に抽出して提供。Open最低120ml / Comp最低180ml。

⏱ Open 10分 / Comp 7分

Open: 10分超過で0.5点/秒減点、11分超失格。Comp: 7分超0.5点/秒、8分超失格。

🔄 3ラウンド制(初導入)

R1 Open→Semi Comp(12名)→Finals Open(6名)。Compスコアは持ち越し。2022年以前の2ラウンド制から大幅刷新。

📊 7項目 Cup Score

Aroma・Flavor・Aftertaste・Acidity・Sweetness・Mouthfeel・Overall 各0-9。Accuracy×2倍。

💧 TDS 2.00%以下

Open Serviceは自前水OK。Compulsoryは大会提供水のみ(TDS 85ppm目標、50-125ppm範囲)。

🏆 スコア構成

Open最高411点 / Comp最高213点。Finals = Finals Open + Semi Comp の合計で決定。

1st

Carlos Medina

🇨🇱 Chile / Colibrí Coffee RoastersOpen 320 + Comp 128 = 448pts(1位)

Finals Open Service — Carlos Medina (Chile)

Presentation Theme — 「初めての一杯が人生を変える:チリのコーヒー産業を前進させる力」

「初めてナチュラルプロセスのコーヒーを飲んだとき、あの体験は最高でしたよね?」。インスタントコーヒーが主流のチリで、スペシャルティコーヒーの感動を一人でも多くの人に届けたいという想い。業界全体を変えてきた農園Café Granja La Esperanzaのコーヒーが自身にとっても「最初の驚くべきコーヒー」だった。シンプルかつ力強いメッセージ:「コーヒーの一杯が誰かの人生を変え、何杯もが国全体の市場を変えることができる」。Origami Sensory Flavor Cupに直接ブリューし、ガラスリッドで蓋をすることでアロマを閉じ込める独自手法。2台のケトルで温度安定を確保。「物事はそれ自体では変わりません。今チリでブリューされているコーヒーが産業の未来を変えていく」。

コーヒー
🇨🇴 コロンビア Café Granja La Esperanza / Finca Potosí / シドラ(Sidra)品種 / 1,400-2,000m
精製
ナチュラル・アナエロビック / 48時間発酵 → 48時間サイロ乾燥
焙煎
Kaffelogic Nano エアーロースター / 7分30秒 / 250℃ / DTR 20% / 8日前焙煎
ドリッパー
Origami Air(円錐形フィルター)+ Origami Sensory Flavor Cup(直接ブリュー+ガラスリッド)
60-65 ppm / Ca:Mg 均等 / 91℃ / 2台ケトル使用
レシピ
15.5g : 250g(1:16)/ ミディアムコース / 1Zpresso ZP6 Special
技法と効果

Origami Sensory Flavor Cupへの直接ブリュー+ガラスリッド — アロマ保持設計のカップに直接抽出しリッドで密閉 → より濃厚でアロマティック、すべての属性で複雑さが増大
Origami Air + 円錐形フィルター — 円錐形がスラリー全体に異なるベッド深さを生成 → 異なるレベルの抽出でフレーバーレイヤーが増加、酸味を際立たせる
1Zpresso ZP6 Special — ロウファイン(低微粉)プロファイル → フレーバーの透明感を向上
2台ケトル温度安定法 — 91℃をできる限り一定に保持 → 3杯間の均一性を確保
Kaffelogic Nano エアーロースター — エアーロースト由来のフレーバー透明感 → 狙ったフレーバーノートを精密に発展
DTR 20% — 高い発展時間比率 → 均一性と高いフレーバー強度を確保

センサリーディスクリプター
項目宣言内容
AromaDark Cherry、Pineapple
FlavorHot: Dark Chocolate、Cherry、Mangosteen(白いトロピカルフルーツ)
Warm: Dark Chocolate、Cherry、Concord Grape
Cool: Concord Grape、Chocolate-Covered Apple
Aftertaste強度: Long, Sweet, Refreshing(全温度帯)
Hot: Green Tea
Warm: Chocolate-Covered Apple
Cool: Apple Juice
Acidity強度: Medium(全温度帯)
Hot: Phosphoric(Ripe Pineapple)
Warm: Phosphoric + Malic
Cool: Malic(Fuji Apple)
Sweetness強度: Medium(全温度帯)
Ripe Pineapple
Mouthfeel強度: Medium-High(全温度帯)
Hot/Warm: Juicy、Syrupy(Fruit Nectar)
Cool: Round、Juicy
サービス・提供方法

Origami Sensory Flavor Cupに直接ブリューし、ガラスリッドで蓋をした状態で提供。「カップを受け取ったらガラスリッドはそのまま白いカップの上に置いてください」。アロマ評価後にリッドを外す。プレゼンテーション終了後に残りの属性を評価。

2nd

Savina Giachgia

🇬🇷 Greece / Nestlé ProfessionalOpen 312 + Comp 128 = 440pts(2位)

Finals Open Service — Savina Giachgia (Greece)

Presentation Theme — 「Food Science × Coffee:創造性が導く未知のフレーバーマトリクス」

「創造性とは、オリジナルで非凡な属性を革新的な組み合わせへと変容させるための導き」。食の科学と理論に基づき、「補完的な味」と「バランスをとる味」の2種類のペアリング理論を提唱。パナマ・ゲシャ(Ninety Plus Gesha Estates Lot 188)とコロンビア・エウゲニオイデス(Inmaculada Farm)のユニークなペアリングで、単体では見つけられないフレーバーを創出。特筆すべきはグリーンビーン段階での14日間共同熟成:ゲシャが持つ特定のラクトン(メチルラクトン、全トロピカルフルーツに共通する成分)がエウゲニオイデスの成分と結合し、以前には存在しなかったフレーバーが生成される。さらにプレブレンド・シングルバッチロースト(一般的なポストブレンドとは逆)で、似た物理的特性を持つ2つのコーヒーが同時にファーストクラックに達することを発見。自作のストーンウェアクレイカップで提供。

ブレンド
80% 🇵🇦 Ninety Plus Gesha Estates ゲシャ Lot 188 ナチュラル + 20% 🇨🇴 Inmaculada Farm エウゲニオイデス ナチュラル
特殊処理
グリーンビーン状態で14日間共同熟成(手で頻繁に撹拌)→ シングルバッチロースト
焙煎
3日前 / 6分 / アグトロン80 / DTR 13%
ドリッパー
Graycano(アルミニウム製・高温維持)
パナマ・バビト湧水 / 160 ppm / Ca:Mg 均等 / pH 7.2 / 93℃
レシピ
15g : 250g(1:16.6)/ 700μm / プレウェット40g → 70g×3回等量パルス
抽出プロセス(プレウェット+3パルス)
1プレウェッティング: 40g @ 93℃ — CO₂放出を促進し、コーヒーベッドを次の3パルスに準備。
21st パルス: 70g — 等量パルスで多次元的キャラクターの発展を開始。
32nd パルス: 70g — 一定リズムの抽出でフレーバーの層を構築。
43rd パルス: 70g — 最終パルスでバランスと甘さを完成。
技法と効果

グリーンビーン14日間共同熟成 — ゲシャのメチルラクトンがエウゲニオイデスの成分と結合 → 単体では存在しない新フレーバーの生成(食品科学的アプローチ)
プレブレンド・シングルバッチロースト — 似た物理的特性のコーヒーが同時にファーストクラック → より精密な均一性と成分交換
Graycano(アルミニウム製) — アルミの高熱伝導で一定温度維持 → ブリュー中の安定した抽出
パナマ・バビト湧水(160ppm) — ゲシャの産地に近い湧水・Ca:Mg均等 → ジューシーなキャラクターと鮮やかさを確保
3回等量パルス(70g×3) — 等間隔の注湯リズム → コーヒーの多次元的キャラクターを段階的に発展

センサリーディスクリプター
項目宣言内容
AromaRipe Mango、Pineapple、Peach、Cotton Candy、Floral Hints
FlavorHot: Peach、Sweet Papaya、Mango、Ripe Pineapple
Warm: Apricot、Melon de Guadeloupe、Red Plum、Marron(栗)
Cool: Nectarine、Pineapple、Lemon Jelly、Sweet Bergamot
Aftertaste強度: Gentle、Long & Sweet(全温度帯)
フルーティなキャラクターを保持 → Cool: Earl Grey ノート
AcidityHot: Malic / Medium
Cool: Malic + Citric / Medium-to-High
Sweetness強度: High & Elegant(全温度帯)
Beeswax(蜜蝋)、Honey-like Quality
MouthfeelHot: Smooth、Juicy / Medium
Cool: Syrupy、Rich、Round
サービス・提供方法

自作ストーンウェアクレイカップで提供(温度保持+アロマ保護+甘さハイライトの形状)。3回スワールしてアロマ評価。ホット時はカッピングスプーン使用(なめらかなエッジ)、ウォーム・コールド時はカップから直接。「コーヒーを少なくとも3秒間口の中で保ってください」。メニューカード(透明パート引き出し式)をジャッジに提供。

3rd

Garam Victor Um

🇧🇷 Brazil / Um Coffee Co.Open 299 + Comp 130 = 429pts(3位)

Finals Open Service — Garam Victor Um (Brazil)

Presentation Theme — 「Synergy:二人のテイラーが織りなすシナジーから生まれるエレガントなカップ」

「シナジーとは、二つ以上の要素が相互作用することで、その部分の総和を超える結果を生み出すこと」。コロンビア・ローリナ(Laurina)品種(Café Granja La Esperanza)の甘さとボディが、パナマ・ゲイシャ(Janson Coffee Farm Lot 184)のフローラルとフルーツトーンを引き立てるレイヤリング技法。ローリナはカフェイン含有量が低くカップに高い甘みをもたらす。メタルV60+Harioメッシュ+Sibaristフィルターの3段階アクセサリーシステム:1投目はメッシュのみで1分20秒プレインフュージョン(200μm以下の粒子からオイルと揮発性成分を凝縮)、2投目からSibaristを追加し透明感を付与。品種ごとに異なるグラインドサイズ(ローリナ500μm・ゲイシャ700μm)と異なるDTR(ローリナ14%・ゲイシャ12%)で最適化。

ブレンド
🇨🇴 Café Granja La Esperanza ローリナ(Laurina)アナエロビック48h + 🇵🇦 Janson Coffee Farm ゲイシャ Lot 184 アナエロビック48h(GrainPro)
ドリッパー / ツール
メタル Hario V60 + Hario メッシュ + Sibarist フィルター(2段階切替)
焙煎
Stronghold(コンベクション式)/ ローリナ DTR 14% / ゲイシャ DTR 12%
水 / レシピ
125 ppm / 20g : 280g(1:14)/ 3回注湯: 100g@96℃ → 100g@96℃ → 80g@94℃ / 約2分45秒
グラインド
ローリナ 500μm(ミディアムファイン)/ ゲイシャ 700μm(コース)
特殊技法
1投目メッシュのみで1:20プレインフュージョン → 2投目からSibarist追加
3段階抽出プロセス(メッシュ+フィルター切替)
1100g @ 96℃(メッシュのみ)→ 1分20秒プレインフュージョン — 200μm以下の微粉からオイルと揮発性成分を凝縮。甘さとボディの知覚を高める。楕円形水流で均一分散。
2100g @ 96℃(メッシュ+Sibarist追加) — フィルター追加で透明感を付与しつつ心地よいマウスフィールを維持。メタルドリッパーの高温保持で酸味を際立たせる。
380g @ 94℃(サークル状集中水流・6g/秒) — コーヒーが十分に飽和しているため撹拌を最小限に。低温で苦味を抑え甘さを最終調整。
技法と効果

メッシュ→フィルター2段階切替 — 1投目のメッシュのみで甘さとボディを凝縮、2投目からSibarist追加で透明感 → ボディと明瞭さの両立
品種別グラインドサイズ — ローリナ500μm(細めで甘さ抽出)、ゲイシャ700μm(粗めでフレーバー・アロマ強化)→ 各品種の最大ポテンシャルを引き出す
品種別DTR — ローリナ14%(甘さ+ボディ重視)、ゲイシャ12%(フローラル+明るさ重視)→ 焙煎段階での最適化
メタルV60 — 高い温度保持 → 酸味とフレーバーの結合をより際立たせる
楕円形水流(1-2投目)→ サークル集中水流(3投目) — フラットベッドでの最適水分散 → ブレンドのシグネチャーを再現

センサリーディスクリプター
項目宣言内容
AromaJasmine、Honey、Cherry
FlavorHot: Cherry、Jasmine、Vanilla、Plum、Honey
Warm: Peach(高強度)
Cool: White Peach
Aftertaste強度: Long-Lasting & Pleasant
Vanilla、Jasmine、Red Apple(Fuji)
Acidity強度: Medium(温度低下で徐々に強化)
Citric + Malic(Stone Fruits)
Sweetness強度: Medium-High
Honey-like → Fruit-like / Well-Structured
Mouthfeel強度: Medium-High
Hot: Silky
Cool: Juicy
サービス・提供方法

サーバーから直接アロマ評価。MKカップで提供(ワイドシェイプ+薄いエッジでフレーバーと触覚の知覚を向上)。「カップをエッジ部分でつまんで持ち、すべての温度でロングシップで評価してください。評価中は水を飲まないでください。」

4th

Luca Croce

🇬🇧 United Kingdom / Gold Box RoasteryOpen 299 + Comp 127 = 426pts(4位)

Finals Open Service — Luca Croce (United Kingdom)

Presentation Theme — 「Espresso & Biscotti:祖母の家の記憶から生まれたパーフェクト・ブレンド」

イタリアのルーツを持つ22歳のバリスタが、祖母の家でエスプレッソとビスコッティが絶妙に混ざり合った記憶から着想。対照的な2つのコーヒーの組み合わせがあの感覚を呼び起こす。コロンビア・Inmaculada Farm産のロレーナ(Lorena/Lumina)40%(天然低カフェイン0.3%、超甘くジューシー)とゲイシャ60%(高標高で熟成が遅くトロピカルフルーツノート)。自然嫌気性プロセス36時間。最大の技術的特徴は2つの異なるローストプロファイル+2つの異なるグラインドサイズの同時運用:ロレーナは203℃で深め/1,000μm粗挽き(過抽出防止+甘さ確保)、ゲイシャは199℃で浅め/500μm細挽き(明るさ+複雑さ)。

ブレンド
40% 🇨🇴 Inmaculada ロレーナ(Lorena/Lumina)ナチュラルアナエロビック36h + 60% 🇨🇴 Inmaculada ゲイシャ ナチュラルアナエロビック36h
焙煎
ホットエアーロースター / 4日前 / ロレーナ 203℃(深め)/ ゲイシャ 199℃(浅め)
ドリッパー / フィルター
Origami Air(ポリカーボネート・低熱伝導率)+ Kilia フラットフィルター
110 ppm(Mg + Ca + 重炭酸塩)/ 93℃
レシピ
16g : 204ml(飲料量200ml)/ 4段階注湯 / 約2分30秒
グラインド
ロレーナ 1,000μm(超粗挽き)/ ゲイシャ 500μm(細挽き)
技法と効果

デュアルローストプロファイル + デュアルグラインドサイズ — ロレーナ深め/粗挽き、ゲイシャ浅め/細挽き → 各品種の最大ポテンシャルを独立して引き出し、明るい酸味と丸いボディを同時実現
Origami Air(ポリカーボネート) — 低熱伝導率の断熱材 → 安定した温度保持でブレンドからより多くの甘さを抽出
Kilia フラットフィルター — ユニークなフラット形状 → 均一で安定した抽出
4段階注湯(ほぼ完全ドレイン間隔) — 各注湯前に水がほぼ完全に落ちきるまで待機 → 活気を犠牲にせず甘さを最大抽出、リッチなテクスチャー
ロレーナ品種(天然低カフェイン) — カフェイン0.3%で苦味が極めて低い → 甘さとジューシーなテクスチャーに特化

センサリーディスクリプター
項目宣言内容
AromaPineapple、Peach、Jasmine
FlavorHot: Pineapple、Peach、Honey Citrus
Warm: Pineapple、Peach、Nectarine
Cool: Mango、Peach、Apricot
AftertasteHot: Sweet(Peach、Apricot)
Warm: Long & Sweet(Honeysuckle)
Cool: Long & Sweet(Pineapple)
AcidityHot: Medium / Malic(Peach、Apricot)
Warm: Vibrant Citric(Pineapple)
Cool: Citric + Malic(Mandarin)/ Medium-High
SweetnessHot: Medium / Pineapple
Warm: Mandarin Orange
Cool: Candied Pineapple / Medium-High
Mouthfeel強度: Medium
Crisp、Round、Juicy(温度低下で増加)
サービス・提供方法

特注カップで提供(アロマ捕捉+フレーバー体験向上設計)。5回スワール×複数回のアロマ評価。ホット時はカッピングスプーン使用、ウォーム・コールド時はカップから直接。「飲んだ後は液体を口の中で1秒間保持してから飲み込んでください」。メニューカードをバックステージに持ち帰り可能。

5th

George Peng

🇨🇳 China / Captain George CoffeeOpen 245 + Comp 159(Semi 1位)= 404pts(5位)

Finals Open Service — George Peng (China)

Presentation Theme — 「X-Master:誰でも美味しいフィルターコーヒーを淹れられるシンプルなメソッド」

「10年前、最初のコーヒーメニューにはたった4種類しかなかった。今では1日で55種類、2,000人のお客様に届けている」。自宅で異なるコーヒーを美味しく淹れることの困難を解決するために生み出した「X-Master」メソッドを提唱。3回の注湯に分け、最初の2回は固定比率(2:1、6:1)、最後の1回は「X:1」の調整可能な比率。コーヒータイプに応じてXの値を変えるだけ(酸味が強ければX=4、苦味があればX=6)。総抽出時間はわずか1分40秒。最終注湯では75℃の低温で苦味を軽減。「コーヒーをより多くの人にアクセスしやすいものにする」というミッション。X-Masterブリューカードを配布。Compulsory 159点(Semi 1位)ながらOpen 245点で総合5位。

コーヒー
🇵🇦 パナマ Finca Guarumo ナチュラル・ゲイシャ
焙煎
Ikawa / ライトロースト / 5分 / 5日前焙煎
ドリッパー / グラインダー
フラットボトムドリッパー(コンパクト設計・リッジでフィルター接触最小化)/ Comandante 26クリック
天然水 TDS 75 / pH 7
レシピ
15g : 195g / X-Master法: 30g@96℃ → 90g@96℃ → 75g@75℃ / 1分40秒
X-Master メソッド(3段階注湯)
Z1投目: 2:1比率(30g)@ 96℃ — 高温で抽出を加速、コンパウンドを急速拡散。鮮やかで柔らかな柑橘系酸味を生成。
62投目: 6:1比率(90g)@ 96℃ — ライトローストに対してこの比率で甘さが向上することを多数テストで発見。
X3投目: X:1比率(75g = 5:1)@ 75℃ — 低温で苦味を軽減。X値はコーヒーに応じて調整(4-6の範囲)。
技法と効果

X-Masterメソッド — 前2投固定+最終投調整可能 → 誰でも再現できるシンプルさ。X値の調整で異なるコーヒーに対応
最終投75℃低温注湯 — 苦味を大幅に軽減 → 甘さ主導のカップを実現
フラットボトムドリッパー(リッジ設計) — フィルターとドリッパーの接触を最小化 → 速やかなろ過と雑味軽減
Ikawa 5分ライトロースト — 短時間焙煎でショルダー時間を確保(膨張率向上)→ 1分40秒抽出で効率的な甘さとフレーバー
Comandante 26クリック — 主要グラインダーをテストしX-Masterに最適な粒度を発見
20分前グラインド+冷蔵保存 — 風味保持のための実践的アプローチ

センサリーディスクリプター
項目宣言内容
Aroma強度: Medium-High / Complex
Sweet Rose、Cranberry、Honey + 高品質紅茶の基調
FlavorHot: Sweet Cranberry、Apricot、White Grape
Warm: Sweet Tangerine、Apple Juice(カクテルのような)
Cool: Tangerine、Red Grapes、Cranberry
AftertasteHot: Cranberry + Honey + 紅茶の余韻
Warm: Cranberry + Crispy Champagne
Cool: Plum、Pineapple、Tangerine
Acidityシグネチャー: Citric
層状構造:Sweet Cranberry → White Grape → Fresh Pineapple
Sweetness強度: Medium-High / Subtle
Honey、Cranberry Candy
MouthfeelHot: Cranberry Juice-like / Medium Body、Smooth、Long
Cool: White Wine Texture、Crispy、Elegant
サービス・提供方法

ピンクカップで提供(甘さの知覚を高める色彩心理+総合的感覚体験設計)。サーバーを反時計回りにスワールしてアロマ評価(2-3回繰り返し可)。カップから直接テイスティング。情報カード(フレーバープロファイル記載)+iPadでフレーバー情報を視覚的に提示。X-Masterブリューカードを配布。

6th

Giacomo Vannelli

🇮🇹 Italy / Vannelli CoffeeOpen 268 + Comp 123 = 391pts(6位)

Finals Open Service — Giacomo Vannelli (Italy)

Presentation Theme — 「D1 Brewer:フラットボトムとコニカルの利点を統合した自作ブリューワー」

前年のWBrCジャッジブリーフィング後、「フラットボトムの安定性・甘さ・マウスフィールと、コニカルのクリアさ・明るい酸味をいかに組み合わせるか」に8ヶ月間没頭。完成した「D1 Brewer」は、フラットボトム部分(安定抽出・甘さ・マウスフィール)+66度角形状(コニカル特有のクリアさ・酸味)のハイブリッド。内側リングがフィルターペーパーを底部から持ち上げ「空間」を生成 → 水流高速化で最終段階の水滞留を防止。外側リングにアクセサリーを取り付け、最初の50gの抽出液を冷却ボウル(フローズンボウル)へ集める(チューリッヒ大学の研究に基づき、冷却液体が揮発性アロマをより多く取り込む)。パナマ・Janson Coffee ゲイシャ Lot 709(60%)+コロンビア・Inmaculada エウゲニオイデス(40%)のブレンド。

ブレンド
60% 🇵🇦 Janson Coffee ゲイシャ Lot 709 アナエロビック96h + 40% 🇨🇴 Inmaculada エウゲニオイデス ナチュラル
ドリッパー
D1 Brewer(自作 / フラット+66°角ハイブリッド / 内側リング+外側リング+冷却ボウル)
TDS 85 / Mg 12ppm / Ca 5ppm / K 0.6ppm
レシピ
16g : 260g / 4回注湯: 50g bloom → 70g×3 / 1-2投92℃ → 3-4投90℃
抽出プロセス(4段階・温度切替+冷却ボウル)
150g ブルーム @ 92℃ — CO₂放出+最初の抽出液50gが冷却ボウルへ → 揮発性アロマをトラップ。
270g @ 92℃ — 高温でフレーバー・甘さ・ボディを抽出。
370g @ 90℃ — 温度を下げてクリアさと明るい酸味を際立たせる。
470g @ 90℃ — 最終注湯でバランスを完成。
技法と効果

D1 Brewer(フラット+66°角ハイブリッド) — フラットボトムの安定性・甘さ・マウスフィール+コニカルのクリアさ・明るい酸味を一台で実現
内側リング(底部空間生成) — フィルターペーパーを底部から持ち上げ → 水流高速化、最終段階の水滞留防止
冷却ボウル(フローズンボウル) — 最初の50g抽出液を冷却 → チューリッヒ大学実証の原理で揮発性アロマを多くトラップ
92℃→90℃温度切替 — 前半で甘さ・ボディ、後半でクリアさ・酸味 → 段階的なフレーバー構築
40%エウゲニオイデス — 自然で比類なき甘さ → マシュマロ的甘さ+ボディの軽減と酸味バランス

センサリーディスクリプター
項目宣言内容
Aroma強度: High / Complex & Pleasant
Raspberry、Strawberry、Sweet Ripe Peach、Vanilla
Flavor強度: High(全温度帯)
Hot: Raspberry、Strawberry、Sweet Ripe Peach、Vanilla(+ Guava の兆し)
Warm: Guava、Raspberry、Pineapple、White Peach
Cool: Raspberry、Guava、Pineapple、Peach Iced Tea
Aftertaste強度: Medium-High / Long & Pleasant
Hot: Raspberry
Warm: Pineapple
Cool: Peach Iced Tea
AcidityHot: Sweet / Malic + Citric / Medium
Warm/Cool: Vibrant & Brilliant / Medium-High(Raspberry → White Peach)
Sweetness強度: High(全温度帯)
Marshmallow Sweetness
Mouthfeel強度: Medium-High Body
Hot: Round、Smooth
Warm/Cool: Juicy(Pineapple Juice)
サービス・提供方法

サーバーを少なくとも3回スワールして直接アロマ評価。カップから直接テイスティング。「コーヒーの全体的な複雑さを存分に体験していただくために、カップから直接お飲みください」。

📊

Cross Analysis: 6人の統計分析

Blend vs Single Origin

🔀 ブレンド vs シングルオリジン

5/6ブレンド
1/6シングル
💡 5/6名がブレンドを使用。唯一のシングルオリジン使用者Medina(シドラ品種)が優勝。Giachgia・Um・Croce・Vannelliはいずれもゲイシャ/ゲシャ+エウゲニオイデスまたはローリナ/ロレーナの組み合わせ。2024年シカゴでは4/6名がブレンドとなり、シングルでの優勝(Wölfl)も継続。
Origins & Varieties

🌍 産地・品種

4/6コロンビア
3/6パナマ
4/6ゲイシャ/ゲシャ
3エウゲニオイデス
2ローリナ/ロレーナ
1シドラ
💡 コロンビアが4/6でパナマを上回る。Inmaculada Farmが3名(Giachgia・Croce・Vannelli)、La Esperanzaが2名(Medina・Um)に採用される圧倒的存在感。エウゲニオイデス3名(Giachgia・Croce・Vannelli)が2023年の顕著なトレンド。2024年では1名のみに減少。
Water Design

💧 水設計の幅

選手TDS温度特徴
Medina60-65ppm91℃Ca:Mg均等
Giachgia160ppm93℃パナマ湧水 / pH7.2
Um125ppm96→94℃
Croce110ppm93℃Mg+Ca+重炭酸塩
Peng75ppm96→75℃天然水 / pH7
Vannelli85ppm92→90℃Mg12/Ca5/K0.6
Roasting

🔥 焙煎アプローチ

選手ロースターDTR特殊アプローチ
MedinaKaffelogic Nano(エアー)20%エアーロースト透明感 / 8日前
Giachgia13%プレブレンド・シングルバッチ / 3日前
UmStronghold(コンベクション)ローリナ14% / ゲイシャ12%品種別DTR
Croceホットエアーロレーナ203℃ / ゲイシャ199℃ / 4日前
PengIkawaライトロースト 5分 / 5日前
Vannelli
🍷

Service Analysis: 提供設計の比較

選手アロマ評価カップ特殊演出
🥇 Medinaガラスリッド付きカップからOrigami Sensory Flavor Cup直接ブリュー+ガラスリッド密閉
🥈 Giachgia3回スワール自作ストーンウェアクレイカップメニューカード / 3秒ホールド指示
🥉 Umサーバーから直接MKカップエッジ持ち+ロングシップ / 水禁止
4th Croce5回スワール×複数回特注カップメニュー持帰り / 1秒ホールド指示
5th Pengサーバー反時計回りスワールピンクカップ(甘さの色彩心理)X-Masterカード配布 / iPad
6th Vannelliサーバー3回スワールカップ(詳細不明)冷却ボウルでアロマトラップ
🔑

Key Takeaways: 2023 WBrC 総括

Summary

2023 WBrCファイナル 8つの発見

🔀 ブレンド全盛の始まり

5/6名がブレンド使用。特にエウゲニオイデスが3名、ローリナ/ロレーナが2名に採用される「甘さ補強品種」のトレンド。シングルオリジン唯一のMedinaが優勝したことも示唆的。

🧬 エウゲニオイデスの台頭

3/6名がエウゲニオイデスを採用(Giachgia 20%、Croce[Inmaculada]、Vannelli 40%)。Inmaculada Farmが3名に採用される圧倒的プレゼンス。2024年では1名(Cheung 10%)に減少。

🇨🇴 コロンビアの覇権

4/6名がコロンビア産を使用(パナマ3/6を上回る)。La Esperanza(Medina・Um)とInmaculada(Giachgia・Croce・Vannelli)の2大農園が全6名中5名をカバー。

🏆 シンプルさの勝利

優勝Medinaは唯一のシングルオリジン、Origami Airという比較的スタンダードなドリッパー、DTR 20%というシンプルなアプローチ。メッセージの力強さと技術の確実性が評価された。

🔬 食品科学アプローチの登場

Giachgiaのグリーンビーン共同熟成(ラクトン結合理論)、Vannelliの冷却ボウル(チューリッヒ大学研究)など、科学的裏付けを伴う技法が上位に登場。

🛠 品種別グラインド・ロースト分離

Um(ローリナ500μm/ゲイシャ700μm、DTR14%/12%)とCroce(ロレーナ1,000μm/ゲイシャ500μm、203℃/199℃)がデュアルグラインド+デュアルローストを実践。2024年の個別ロースト戦略への先駆け。

⚗️ Semi-Finals初導入の影響

Peng(Comp 159点Semi 1位)はOpen 245点で総合5位。Compulsory力だけではOpenの表現力を補えないが、Medina・Giachgiaは両スコアとも高水準で安定。3ラウンド制は総合力を問う設計として機能。

📋 2024年への布石

2023年のエウゲニオイデス3名→2024年は1名に減少し、代わりにオンブリゴン2名が台頭。ピンクカップ(Peng)は2024年Wibawa・2025年Tan・Alirezaへ継承。MKカップ(Um)は2024年Iidakaへ。自作ブリューワー(Vannelli D1)は2024年には見られず。

2023 World Brewers Cup — Athens

World of Coffee Athens · June 22–24, 2023 · 6 Finalists

本資料は各選手のYouTube公開ファイナルプレゼンテーション動画トランスクリプト、
2023 WBrC Official Rules and Regulations、WCC / SCA の公式発表に基づき構成。
順位:1st Medina(448) / 2nd Giachgia(440) / 3rd Um(429) / 4th Croce(426) / 5th Peng(404) / 6th Vannelli(391)

Compiled by Daiki Uematsu using AI (OpenAI / Anthropic)