バリスタチャンピオンシップ、過去4年間の全データをAIで分析した。コーヒーの果てしない世界。

コーヒー

競技会の分析データ第2弾。

コーヒーカクテル(WCIGS)過去4年間の全データをAIで分析した結果|最適なアルコール度数とは?

前回のWorld Coffee in Good Spirits(WCIGS)に続き、今回はWorld Barista Championship(以下WBC)の2022年から2025年、過去4年間のファイナリストのプレゼンテーションデータをAIで翻訳・分析したレポートを公開する。

実は2024年頃からOpenAIのWhisperを使ってプレゼンテーションを聞き取り、簡易的ではあるが資料にまとめるということを自力でやってきた。今はAIの能力が向上し、短時間でデータサイエンティストかと思えるくらい詳細な資料をまとめることができるようになったので、本当に助かっている。

同時に、バリスタの中でもエスプレッソ畑で育ってきた私にとって、WBCの動向は興味深く、見ていて面白い。


バリスタを目指した原点

私がバリスタになりたいと思った最初のきっかけはラテアートだった。18歳のとき、タリーズコーヒーでアルバイトをして、そこでラテアートの存在を知った。

プロのバリスタを目指したいと思って最初に見つけたのが、2009年ジャパンバリスタチャンピオンシップ決勝戦の動画だった。YouTubeに誰かがアップロードしていて、当時その動画を擦り切れるまで何回も見た。

その後、現場で経験を積む中で一度だけバリスタチャンピオンシップに出たことがある。

出場した2011年の大会 出場した2011年の大会

ちょうど業界の流れがブレンドのエスプレッソからシングルオリジンのエスプレッソへと変化していく真っ只中で、挑戦したが当然のごとく予選落ちだった。でも、緊張と楽しさに満ち溢れていたことを記憶している。


データの集計方法と注意点

以下、データを公開する。
noteでそのまま公開できないため独自ドメインのワードプレスにて公開している。スマホからでもご覧いただけるが、PCからのほうが見やすいのでPCを推奨。

本当はスマホでも見やすくなるよう完全レスポンシブ対応にしたかったけど、正直時間が足りないのでご了承いただきたい。スマホで見る場合は、スマホ画面を横に倒して画面を広く使ってもらうほうが見やすいと思う。

各選手のデータはファイナルの順位順に並べている。エスプレッソコースの抽出レシピ、テイスティングノート、ウェイト、テクスチャー、フィニッシュの表現。ミルクコースとシグネチャーコースのフレーバー表現。それぞれをまとめた後、まとめデータを掲載している。

そして免責事項のようにお伝えするが、AIでのまとめなので完璧ではないと思う。私も1つ1つのプレゼンテーションを全て確認できるほど時間もなく、間違っている可能性は十分にあるので、間違いを見つけたらぜひコメントで教えてほしい。

また、無いと思うけど商用での引用や転載はご遠慮いただき、引用する場合はAIでまとめられた資料であることを記載してもらえれば、資料が正しく生きていける。

まとめ先リンク

WBC 2022 分析 MICE Melbourne — Pre-Reform Era Final Edition 2022 World Bari

WBC 2023 分析 World of Coffee Athens — Historic Rule Changes 2023 World Bar

WBC 2024 分析 World of Coffee Asia — Inaugural Edition 2024 World Barista C

WBC 2025 分析 25th Anniversary Edition 2025 World Barista Championship Fina

WBC 2022-2025 統計分析 WBC Finals Analysis Hub 2022–2025 World Barista Championship


分析方法について少し解説しておく。基本的にはYouTubeのプレゼンテーション動画から字幕データをAIで取得し、うまく拾いきれなかったものはOpenAIの音声認識モデル「Whisper」を通して補完した。全てAIで文字起こしし日本語に訳した後、AIでデータにまとめた。

各年度のWBCルール&レギュレーションも一緒にAIに読み込ませており、年度ごとのルール変更も反映している。プレゼンテーションの全文を一般公開するのは著作権上の問題が発生しそうなため、AIに指示を出して手を加えた分析データとして公開している。

本当は過去4年間の全プレゼンテーションが入ったNotebookLMのAIチャットボットを作ってたんだけど、これを一般公開するのは断念した。

自分で作って楽しむのは問題ないので、気になる人は試してみてほしい↓ 自分で作って楽しむのは問題ないので、気になる人は試してみてほしい↓

AIで外国語動画やプレゼンを翻訳・分析する方法について。8万円の請求が0円になった世界。(Notebook LMの使い方)


分析結果のハイライト

以下、4年間の統合分析から見えてきたハイライトを紹介する。

生産国の使用率 生産国の使用率


品種と農園:品種はゲイシャが圧倒的に多い。農園ではFinca Deborahの強さが目を引く。2022年頃から登場したEl DivisoやコロンビアのInmaculada、Negritaなど分散して使われているが、この4年間を通して見るとFinca Deborahの存在感は際立っている。


フレーバーカテゴリーの推移:エスプレッソではシトラス、フローラル、ストーンフルーツ系が圧倒的だ。チョコレートや菓子系の表現をする選手はほぼいない。使うコーヒー豆から出てくるフレーバーの傾向自体がシトラス、ストーンフルーツ、ベリー、フローラルに寄っているのがわかる。ミルクビバレッジになるとチョコレート系、ストーンフルーツ、ベリーの表現が増え、トロピカルフルーツを表現する選手も少し多くなる印象だ。

エスプレッソではシトラスが多め エスプレッソではシトラスが多め

ミルクビバレッジではチョコレートが多め ミルクビバレッジではチョコレートが多め

シグネチャーではストーンフルーツが多めだけど、全体的に分散の傾向 シグネチャーではストーンフルーツが多めだけど、全体的に分散の傾向


提供温度:ミルクビバレッジはほぼ50〜55度。

AIが上手く翻訳してるのか心配だったので二重チェックを行った AIが上手く翻訳してるのか心配だったので二重チェックを行った


エスプレッソの抽出レシピ:投入量と抽出量の平均値を一覧にしている。おおむね1:2のレシオが多いことが見受けられる。


提供順:エスプレッソ→ミルクビバレッジ→シグネチャーの順が一般的で最も多いが、年度によって異なる提供順にする選手もいる。使用するコーヒー豆や作るドリンクの味わいに応じて変えていると思われる。


複数回ファイナル進出者:2022年から2025年でファイナルに複数回残った選手として、オーストラリアのジャック・シンプソン氏や日本のレジェンド、石谷貴之氏などが挙げられる。WBCにおいて複数回ファイナルに入れるのは尋常なレベルではなく、努力の継続なしには不可能であり偉業である。


おわりに

今回はワールドバリスタチャンピオンシップの過去4年間をAIでまとめてみた。繰り返しになるが、AIによる翻訳・分析がベースであり完璧ではないと思うので、その点はご注意いただきたい。

来年の2026年版を追加更新するかは正直わからない。AIを使ってもかなり時間をとられるので、需要があればやろうと思う。
(業界の人しか見ないようなマニアックな情報なので、一般需要はないし。笑)

これで競技会分析シリーズは一旦終了。ワールドブリュワーズカップも同様にまとめてはみたが、今は他に書きたいことがたくさんあるのでそちらを優先する。

いくつかの記事を書いてみて、少しずつnoteというプラットフォームを理解できてきた。自分の中で何を書き続けたいかと問うと、結局は「料理」という大きなジャンルのように、コーヒーやカクテルだけではない「飲料」というひと括りの大きなジャンルが好きなので、その分野についてAIという助手をクロスさせながらマイペースに書き続けていくと思う。